2021年12月31日(金)鈴木優人指揮/ジルヴェスター・ガラコンサート2021

15時開演 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール

2021年の聴き納めは、芸文センターのジルヴェスターにしました。

ジルヴェスターといえば、これまで合唱での登壇を含めもっぱらびわ湖ホールでしたが、今年は「鈴木優人・森麻季・大西宇宙」の吸引力でこちらを選んでしまいました。

それが期待以上の素晴らしい公演!
ガラコンサートなので何も考えずに楽しめるものではありますが、演奏も演出も非常にクオリティが高く、今年最後の日に素晴らしい公演に巡り合えました。

第一部は優人さんらしく、ヘンデル「水上の音楽」から有名な2曲と歌劇「リナルド」からの抜粋。この「リナルド」は昨秋BCJの公演を有料配信で視聴したのですが、森麻季さん、大西宇宙さんはこのときのキャストでもありました。なので、今回それが生で聴けたことになります。
「私を泣かせてください」のタイトルで有名なアリア、森麻季さんの演唱は芸術品。そして歌が終わった後の後奏オーケストラのふわりとクレッシェンドする入り方に完全に心を掴まれてしまいました。優人さん、素晴らしい!

第二部はまずストラヴィンスキー「火の鳥」抜粋。男女ペアのダンサーによる抽象的なダンスが繰り広げられたのですが、この人間の体を極限まで使って表現したパフォーマンスが素晴らしく、これまで興味を持ってこなかったバレエも機会があれば観に行きたい、とも思いました。
ライティングもセンスがあり、「カスチェイ王の魔の踊り」では、指揮者を下から照らし上げ、舞台奥に魔王のようなシルエットを浮かびあがらせたアイディアはユーモアもあり秀逸。

第二部後半は、J.シュトラウスⅡ世やレハールの作品で、ウィーンのニューイヤー気分。
そして、私が聴きたい!と思っていた(福井敬さんにリクエストして叶わなかった)「君こそわが心のすべて」を大西宇宙さんで聴けて最高に嬉しかった!張りのある伸びやかなバリトンで力強くホールに響く演唱。「”Bravo!” 言いたいな」と隣の夫がボソリ(笑)。
森麻季さん「ムゼッタのワルツ」は、「真打ち登場」の感。やっぱりこれくらい綺麗でないと!説得力がありまくるムゼッタでした。

プログラム最後は、夏にこのホールで聴いた「メリー・ウィドウ」から「唇は語らずとも」。日本オペラ界屈指の美男美女カップルによる最高の演唱でありました。夏の公演で抱いた不満が洗い流されるような思いがしてしまったのも事実で(キャストお疲れ千穐楽公演はかなりの乱調だったのです)、これで気持ちよく年が越せる、と思ってしまったのでした(スミマセン)。

アンコールは、もう新年になったかのような「美しく青きドナウ」と「ラデツキー行進曲」。そして最後は客席でサイリュームを振りながらの「蛍の光」。「歌って」とも「歌うな」とも言われなかったので、はい、かなり本気で歌わせていただきました!楽しかった!

年の最後に本当に素晴らしい音楽、パフォーマンスを堪能できました。
今年印象に残るいくつかの公演をこの何日かで思い出していたのですが、最終日にまたひとつ加わることになりました。

◇座席
2階最前列上手側。
このホールは2階席がかなりせり出しているためステージが近く、オペラを鑑賞するのにもこのあたりがベストかな、と思いました。来夏のオペラはこの辺りの席を狙います!

◇その他
特別協賛のアサヒビールより観客全員(未成年者除く)に、新商品の微アルコール飲料「ビアリー」と「ハイボリー」のプレゼントがありました!下戸夫婦大歓迎(笑)

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