2020年7月26日(日)沼尻竜典 日本合唱音楽セレクション

14時開演 びわ湖ホール 大ホール

1月の「こうもり」以来、約半年ぶりのびわ湖ホール。
ホール建物に入り、ロビー正面ガラス越しの美しい樹形のメタセコイアと琵琶湖を見た途端、あぁここにまた来ることができてよかった!と嬉しくなりました。

びわ湖ホール声楽アンサンブルの特別公演で、日本人作曲家の合唱曲で構成されたプログラム。
声楽アンサンブルは、現役メンバーとソロ登録メンバー(OB,OG)の混成で各パート5名ずつ20名。
前後左右3メートルずつの間隔をとってのオーダーでしたが、その声量の豊かなこと!お一人お一人の声がステージで球体状に広がり、響き合い、ホールを豊かに満たして、たっぷりとした充実感を味わえました。

マエストロのいつもの軽妙なトークもあり(実は楽しみの半分はこれでした 笑)、「ステージで練習を始めたときは違和感があったけれど、今ではやみつき」と仰っていたのが聴き手としてもまったく同感で、むしろこのオーダーの方が聴きごたえがあって良いな、と思った次第です。
今後もこの形で宗教曲など演奏していただきたいな、と、ありきたりではありますがモーツァルトやフォーレのレクイエムなども聴いてみたいな、と帰る道々考えていました。

離れた配置であることで、歌声を知っている、例えばテノール清水徹太郎さんの声を聴きたい、と思って耳をフォーカスするとその声が聴こえてくる、という面白さも味わえました。
それになんといっても日本語の発音が美しい。子音がくっきりと聴こえてきて、歌詞が明瞭に聴き取れるので、意味もしっかり受け止めることができ、字幕のいらない日本語の歌を聴く意義を感じることもできました。

プログラムは、大地、海、空 といった「地球」をテーマとした楽曲で構成されていましたが、プログラム冒頭のマエストロの「プレトークに代えて」という文章が感動的で、それをここに書き写しておきたいと思います。

(前略)
私たちはどんなことがあっても、この地球に住み続けなければならない。最近の状況はとても辛いけれど、美しい空や海、そして豊かな大地を思う時、ここに生を受けたことを感謝するほかはない。やがてコロナは去っていくだろうから、今は人間としての営為(もちろん文化活動を含む)を続けながら、海鳥たちのように、ひたすら生きることに専心するしかないのだと思う。
(後略)

マエストロは、ステージの広がりに合わせるように大きく力感のこもった指揮で、まるでマーラーを指揮されてるようだなぁとふと思いましたが・・8月京響、9月大フィルと続けてマーラーのシンフォニー。これもとても楽しみなのです。

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