2026年1月10日(土) 21世紀の新世界

14時開演 ザ・シンフォニーホール

仕事始めの週も終わり、3連休の初日。
元日にニューイヤーコンサートに行ったばかりのシンフォニーホールに、早くも2度目の足を運びました。

お目当てはピアニストの鈴木愛美さんであったのですが、瀬山智博マエストロ、関フィルともに素晴らしく、至福の鑑賞体験でした。

冒頭にモーツァルト「劇場支配人」序曲、続いてシューマンのピアノ協奏曲、後半はドヴォルザーク「新世界」という名曲プログラム。「劇場支配人」は、この月末にびわ湖ホールでオペラ本体を鑑賞予定なのでちょうどよいタイミング。短い曲ですが、これもチケット入手の動機づけになりました。

今回はオルガン席に座ったので指揮者がよく見えたのですが、初めてその指揮に触れる瀬山マエストロ、いきなり惹き込まれました。指揮棒を持たないメリットが最大限に発揮された動きは、滑らかで表情豊か。時に両手を使い球体を形作ってボリュームを視覚化させたり、さらにそれをこねるようなしぐさで音楽に動きをつけたり。かと思えば、ひらりと掬い取るような動作で示唆するレガート。それに応えるヴァイオリンのなんと艶やかで美しいこと。

関フィルのヴァイオリンには、独特の「鋭利」とも感じる細く強い響きの印象があるのですが、この日はそれが顕著に感じられ――これは、ピッチがぴったり揃っているということの証左。その上に木村悦子コンマスの放つ明るいオーラがオケ全体に加わって、なんとも幸せな気分で聴かせていただきました。

昨年は定期で2回、第九で2回、合唱で登壇したので、このオケを後ろから見る(聴く)機会は多かったのですが、やはり100%観客で聴くと(第九は約75%?)、当然ながら印象は異なるものだとも感じました。

さて、鈴木愛美さん。2023年日本音楽コンクール、2024年浜松国際ピアノコンクールで優勝。日本音楽コンクールのファイナルをTVで視聴し、その生き生きとした演奏、体全体から音楽があふれ出しているかのような様子、そして音楽の推進性に惹き付けられ、いつか生で聴きたいと思っていたピアニストです。

これまで関西での公演はなかなか日程が合わず、今回やっと実現しました。
シューマンのピアノ協奏曲。キャッチーな冒頭部からメロディアスな主題に移り、その丸く透明感のある打鍵に魅了されました。背筋がゾクゾクとする美しさ。かと思えば、随分と「男前」な表現も随所にあって――つい、初演のクララ・シューマンもこんな風に男前に弾いていたのだろうか?などと想像してみたり。

と――このオルガン席、オーケストラを聴くには直接音と反響音が絶妙にブレンドされて至福の音場なのですが、ピアノを聴くには少し不利だったかな、という印象。ピアノの反響板(屋根)が反対側を向いているので、ピアノがあまり強く聞こえてこない。それにシューマンのこの作品は、冒頭を除きキャッチーさには欠けるので、さほど聴き込んでいない身にはあまり深くは刺さらない――といったことで、愛美さんはまた別の機会に聴きたいと思っています。芸文センター小ホールでリサイタルやってくれないかな、と個人的願望。

休憩後は、「新世界」。
名曲すぎて却って聴く機会が少ないのですが(我がブログを検索したところ、ほぼ3年前にMo.コバケン/ハンガリー国立フィルで聴いていました)、やはり素晴らしい作品。どの楽章にも耳を捉えるキャッチーなメロディがあり、それを間近でじっくりと聴ける喜び――しかしドヴォルザーク、こんなに出し尽くしてよいのか?――と、これもジンクスの「第九」なのでした。

木管楽器のアンサンブルも素晴らしく、下から湧き上がり、上から降ってくる豊かな響きに包まれて、音楽に浸る幸せをかみしめたひとときでした。今年の鑑賞ライフ幸先よし!

◇アンコール
ソリスト・アンコール
シューベルト:楽興の時 第3番

オーケストラ・アンコール
ヨハン・シュトラウスⅠ世:ラデツキー行進曲

◇座席
オルガン席最前列下手側。

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