19時開演 神戸国際会館こくさいホール
古巣神戸フロイデ合唱団のサマーコンサート、今年も聴かせていただきました。
団員数はプログラムで確認したところ89名。昨年より男声が少なくなっているようでしたが、声の良い方が何人かおられるようで、女声に負けずよく響いていました。
前半にモーツァルト「戴冠ミサ曲」、後半にベルリオーズ「荘厳ミサ曲」というプログラム。
「荘厳ミサ」=ベートーヴェン「ミサソレ」と思ってしまいがちですが、ベルリオーズも書いているのですね。しかもパリ音楽院に入学した翌年の20歳時の作品というのには驚きました。後世に残る作曲家は皆天才なのですね。
ところが、ベルリオーズはこの作品に価値を感じず一部を残して破棄。それが1991年に偶然ベルギーの教会で手稿譜が発見され、1993年にガーディナー指揮で蘇演。この演奏は動画で見ることができます(1993年は「最近」笑)。
手稿譜発見の発端は、その教会でのモーツァルト「戴冠ミサ」の古い楽譜の調査であったとのことで、それに因んでのカップリングと思われますが、センスあるプログラムだと感じました。
そのベルリオーズの荘厳ミサ、かなり独創的な作品で、後の幻想交響曲のスケッチのような箇所もあり、幻想交響曲同様に本人にはその自覚なく随分新しいことをやっていたのだな、という印象。オーケストレーションにもヴェルディのレクイエムに比肩する激しい表現もあるのですが、そのヴェルレクの初演(1873年)よりも半世紀前に書かれている、というのも驚きです。オペラのようにドラマティック。これはもっと演奏されていい作品だと思いました。
さて、合唱の話に戻りますが、暗譜が鉄則のこの合唱団、もちろん2曲とも暗譜でした。ずっと在籍しておられる団員の方は凄いです。私にはもう無理(気力と時間の使い道=演奏会通い)ですが、暗譜で本番をやり切った後の達成感は大きいものでしたから、皆さんそれがやみつきなのかな、と。
◇座席
1階後部中央ブロック