2025年3月18日(火)日本テレマン協会第549回マンスリーコンサート 高田泰治リサイタル

18時開演 大阪倶楽部

今回のテレマン協会コンサートは、高田泰治さんのチェンバロ・リサイタル。

「ドイツ盛期バロックの鍵盤音楽」のタイトルで、J.S.バッハとJ.K.F.フィッシャーの組曲を2作品ずつでのプログラム。

フィッシャーは、名前も聞き始めでしたが、バッハより一世代上(1656年生)で、ドイツ各地で宮廷楽長を務めた人物とのこと。

演奏前の高田さんのお話によると、「バッハの舞曲は踊れないけれど、フィッシャーは踊れるかも?しれません」とのこと。確かにバッハほどの複雑さはない音楽でした。
前半、後半とも、フィッシャー作品のあとにバッハ作品、という構成になっていたのは較べて聴くのにも適した流れで、鑑賞の助けになるものでもありました。

聴きながら感じたのは、やはりバッハ作品の音楽の強さ。現在ではモダン・ピアノで弾かれることも多いですが、モダン・ピアノの硬質な響きと音量に適う音楽であること、また心の琴線に触れる旋律を持っていること——つまり、普遍性を持っている音楽であるということを改めて感じました。

それにしても、高田さんの精緻で乱れのない演奏に感服。このまま何時間でも弾いていられるのではないか?と思うほどの安定感。チェンバロの繊細で瀟洒な響きを堪能しました。

作曲された当時の規模感で聴くことができる平土間サロンでの演奏会——途中で気づいたのですが、客席からの雑音が全くなく、その意味でもレベルの高い公演で、前回同様至福のひとときでありました。

◇アンコール
スカルラッティ:ソナタ K21
ちゃぶ台返し的感想になりますが、この作品の方がチェンバロとの相性良し。「泡立ち」と言い換えたくなるような、実に軽やかで細かな粒立ちが見事で魅了されました。
機会があれば、スカルラッティ、フレンチ・バロックのラモーなどのプログラムも聴いてみたいです。

◇その他
終演後、チェンバロを見るために観客が集まっていたところ、調律の方が楽器の説明をしてくださいました。鍵盤上に3か所あるストップではじく弦の本数が変えられること、上段の鍵盤を奥に押すと琴のような音色になることなど。

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