2025年6月22日(日)セバスティアン・ヴァイグレ指揮/読売日本交響楽団第142回横浜マチネーシリーズ ヴァイオリン アウグスティン・ハーデリヒ

14時開演 みなとみらいホール 大ホール

前日に続き、2日連続のみなとみらいホール。
この日は読響のマチネーシリーズ。

「ラインの黄金」で横浜に行くことを決めた後、折角なので翌日に首都圏でよいコンサートがないかと検索したところ——なんと!あのハーデリヒが聴ける!ということで、世界的ヴァイオリニスト、アウグスティン・ハーデリヒ氏が目的で、意図せず2日連続同じホールへ通うこととなりました。

プログラムは、「準」名曲コンサートの内容で、スメタナのオペラ「売られた花嫁」(←目にするたびドキリとするタイトル)の序曲と、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲、後半にドヴォルザークの交響曲第7番、というもの。

賑やかな序曲が開始されてすぐに——大変申し訳ないけれど、昨日のワーグナーはこのオーケストラで聴きたかった、と思ってしまいました。艶やかで強く明瞭な響きなのです。前日はそれなりに素晴らしいとは感じたものの、2階席まで今一つ聴こえて来なかった部分もあり、若干のもどかしさがあったのです。同じホールで聴くと違いがよくわかる——。

と、さて、お目当てのハーデリヒ。
1年ほど前、Eテレ「クラシック音楽館」で放映されたN響定期でのプロコフィエフ協奏曲第2番の演奏に感銘を受け、一度生で聴いてみたい、と思っていたヴァイオリニスト。読響への出演はこれが初とのこと。

冒頭の音を聴いた途端、涙腺が緩みました。艶やかで温かみのある音。
音楽は頭で考えるより先に体が反応する——最近になってやっと気づいたことです。「素晴らしい」と思うより先に涙が出てきたり、逆に「つまらない」と思うより先に瞼が下がってきたり。これら自らの生理的反応に所感を教えてもらっているようなものです。

聴く機会が多いものの、ここ最近なかなか納得できる演奏に巡り会わなかったチャイコンですが、やっと美しさに浸れる演奏に出会えました。1楽章カデンツァのハーモニクスは絶品。そこに至るまでの演奏により、安心感を持って聴ける——完璧なテクニックと美音に身を委ねる至福のひとときでした。また生で聴きたいヴァイオリニスト、そして今度はもっと超絶技巧盛り盛りの尖った作品も聴いてみたいです。

休憩後はドヴォルザーク7番。演奏会通いで「よく出会う」作品です。新世界やドヴォ8の超メジャーを避けるとこの選曲になるのでしょうか。しかし、これも名旋律満載の名作。8番よりこちらの方が好きかもしれません。3楽章スケルツォなどはノリノリで聴きました(スケルツォ好き)。

——実は、当たり前に素晴らしい演奏だったので、ここがどうだった、とか具体的感想は書けない(ブログ執筆上困る)類の鑑賞体験だったのですが、(読響大阪定期とは随分異なり)客席マナーもよく、極めて満足度の高い演奏会でありました。

◇ソリスト・アンコール
フォレスター/ハーデリヒ編:ワイルド・フィドラーズ・ラグ

◇座席
2階下手側3列目。
前列との段差が少なく、半席ずらしもないので舞台が見えづらい。
どうもこのホールは視界良好席が少ない模様(ChatGPT調べ)。

◇その他
今回はみなとみらいホール徒歩圏内の桜木町ワシントンホテルに宿泊。窓からの夜景が素晴らしい。
(日本丸は前日ワーグナーの帰りに撮影)

この日の演奏会前には、横浜在住の高校時代の友人とほぼ10年振りに再会してランチ。充実のヨコハマ滞在でした。

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