2025年12月31日(水) びわ湖ホール ジルヴェスター・コンサート2025

15時開演 びわ湖ホール大ホール

昨年、一昨年のジルヴェスターは芸文センターに行きましたが、今年は3年振りにこちらのジルヴェスターに足を運びました。

目的は、ピアニストの久末航さん。今年エリザベート王妃国際音楽コンクールで第2位となり、一躍脚光を浴びることとなった久末さん。私がその演奏を聴いたのは、1年半ほど前にヴァイオリン前田妃奈さんとのリサイタルのみだったので、コンチェルトを聴けるとあって(芸文ではなく)こちらのジルヴェスターを選んだ次第です。

プログラムは、喜歌劇「こうもり」を軸に組まれたもので、最初に「こうもり」序曲、そして久末さん演奏のラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番、休憩後に「こうもり」を含むウィーン関連の作品その他、というもの。

ちょっとここからはいいことを書きません。

プログラムにも、進行にも、演奏にも、少なからず不満の残るコンサートでありました。ジルヴェスター・コンサートは一種の「お祭り」なので、真剣に聴いて音楽自体の感想を述べるような類の演奏会でないことは十分承知していますが――それにしても、その祝祭的コンサートに超難曲のラフ3を持ってきたり、突如「戦後80年」を持ち出して、合唱曲「鷗」が入れ込んであったり――コンセプトが不明瞭というか、センスが感じられないというか。

おまけに司会進行の米團治さんはグダグダ。奏者へのインタビューの切り回しは冴えず、「エリザベート」を「エリザベス」と言い間違え(国が変わるよ!)、「私もラフマニノフの1番、2番は何度も聴いていますが、3番は滅多に演奏されません」などと事実誤認も甚だしい解説。誰かに台本の校閲を頼まなかったのでしょうか?

また、一般合唱は124名、そのほかに「ユース合唱団」として児童合唱も乗っていたのですが、これには子どもを乗せることによって両親兄弟祖父母などの集客が見込める、という目的が透けてみえる。「守り」の姿勢を感じ取ってしまいました。

こんなにも大勢の素人が舞台に乗っていると、もはや学芸会の様相。ここのジルヴェスターは客席で聴くものではなく、(合唱で)参加するものだと認識しつつ会場を後にしました。

終わり。

 

ではなく、久末さん!
久末さんの演奏は素晴らしかった。まず、やはりピアノの音色そのものが美しいし、その音色が多彩。超絶技巧も安定感があり、オーケストラとのバランスもよく、これが初出しであったとは思えないほど。

しかし――もう少しオーケストラが煽情的に攻めても良かったのでは?との思いも。
ラフ3は、センチュリー豊中での務川さんがあまりにも感動的で(これまでに聴いた全ジャンルの公演のなかでも最高の鑑賞体験のひとつ)、どうしてもそれと比べてしまうのですが――オケパートがここをもう少し強く長く演奏すれば、もっとロマンチシズムが表現できるのに!などといくつかの箇所で隔靴掻痒の感。

一方で、祝祭的な演奏会で採り上げる作品ではないのでは?という思いも。同じラフマニノフならもっとメロディアスな2番、あるいはチャイコフスキーの1番でもよかったのでは?この超難曲の初出しを地元で披露したかったのかもしれませんが、この作品には、もっとコアな聴衆に向けて、オケも本気モードで演奏できる場が相応しかったのではないかと思います。

と、一年の締めくくりには全くふさわしくない内容となってしまいましたがやむを得ず。これからもコンサート通いはまだまだ続きます。
今年も拙ブログをお読みくださり、ありがとうございました。

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