「ピアノが弾ける」ということ-1

コロナ禍がもたらした副産物ーーテレワーク、Web会議の普及など業務に関する世の中の流れ、と共に私的なものとして「ピアノ練習再開」があります。
5月の緊急事態宣言発出で”StayHome”となり、GWの旅行もなし、合唱練習もしばらく中止となる中、始めたのがピアノ練習でした。

そして、練習していく中で、あるいはプロの演奏に触れる中で、最近考えているのが、「ピアノが弾ける」とはどういうことなのだろう、ということなのです。

まず、私の「ピアノ歴」について触れておきますと・・
5歳で習いに行き始め、中学校後半からはピアノでの大学受験も視野に入れ、大学の先生に師事して割と頑張って練習していました。しかし、以前のブログにも書きましたが(イリーナ・メジューエワ「ピアノの名曲」)、高校1年の冬に理系に進むことに決めたため「受験用ピアノ」から離れることに。でも、ピアノを弾くこと自体は好きでしたし、気分転換にもなっていたので、親に頼んでレッスンには通わせてもらっていました。今思い出しても素敵な先生だったと思うのですが、「だったら受験には関係のないロマン派ばっかりやりましょう♪」そして「音楽は趣味としては最高だから一生続けてね」と。それで、シューベルト、シューマン、ショパンにブラームス(いずれも中級レベルの作品ですが)などを練習していました。

しかし、その後大学入学で下宿生活となったので、ピアノが生活からなくなり(大学ではフュージョン・バンドをやっていたので、キーボードを弾いてはいました)、就職してからは帰省しない限りピアノに触れない生活となって10数年が経過。そうしていたところ、マンションを購入したのとほぼ時を同じくして「女子大にピアノ練習室を新設する」という業務を担当した際にヤマハ楽器の方と親しくなり、これは好機!とばかりにアップライト型電子ピアノを購入したのです(実家のグランドピアノはマンションに置けず売却 泣)。が、仕事に終われてなかなかピアノには触れる時間がない生活が続くこと約2年。

あるとき、ふと思い立って合唱を始めたのです(→その後ドップリはまって今に至る)
そして、音取りのために「ピアノ伴奏部分をちょっと弾いてみるかな」と楽譜を開いてみて・・衝撃でした。
「ヘ音記号」が読めない・・!?
ちなみにそれはこの楽譜です。
ヴェルディ「レクイエム」

冒頭左手の「ミードラー」。パッと見で指が鍵盤を押さえられなかったのです。
「エーッと、ここが『ド』だから、ド、レ、ミでこれは『ミ』か・・」という具合。
以前は簡単な曲なら初見で結構弾けていたのに、というささやかな自負もあり、これはかなりのショックでありました。

以来、ピアノに触れるのは、歌の練習のための音取りと、昔弾いていた曲の「弾ける部分だけ」を弾く、という程度に。ここからまた10数年が経過。

でも、ピアノをまた弾けるようになりたい、という気持ちは持ちつづけており、それが昨年春、テレワークで時間に余裕ができたこともあり、「ピアノ、練習しよう!」という気持ちが沸いてきて一念発起しました。そこでまず取り組んだのがムソルグスキー「展覧会の絵」。メジューエワさんの本がきっかけです。いつ買ったのか記憶がないのですが、家に楽譜がありました(笑)。

この楽曲、難易度では最高ランクなのですが、冒頭の「プロムナード」は和音をジャンジャン、と弾いていくだけで、さほど難しくない。で、なんとか弾けるようになったところで、続く「こびと」へのアタッカでの突入!というのを俄然やりたくなった訳です。

これ。
変ホ短調フラット♭6つ。右手もヘ音記号。
いやー、最初は頭も指も大混乱でした。右脳と左脳の信号が混線しているのが、我が脳みそながら把握できるほどの混乱ぶり(笑)
しかし、この暗く不気味な音楽、妙な魅力があるのですね。これが弾けたらカッコいいな、と思える魅力。それで、来る日も来る日も(なにせヒマだったので)練習しました。そして、やっとなんとか形になったところで・・嬉しいことに、「ヘ音記号読めない病」と「黒鍵(変化記号)恐怖症」を克服することができたのです。

そして「ヘ音記号」が再び読めるようになったことで、大袈裟ですが、自由に飛べる翼を手に入れたような心境になり、次々と練習したい曲が現れてきて、今ではかなりの時間ピアノの前に座っています。

そして、現在読んでいる本がこちら。

「ピアノが弾ける」脳の仕組みを医学的な実験結果に基づき解説してあり、とても興味深い。
私が抱いていた疑問にも科学的な答えが示されていて、爽快感すら感じます。

・・実は、この本に書かれていることについていろいろ綴りたくてこの記事を書き始めたのですが、ここまでで長文となってしまいました(笑)。読了したのち、再度記事にしたいと思います。
今日はここまで!

 

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