2024年8月28日(水)尾高忠明指揮/大阪フィルハーモニー交響楽団 モーツァルトとブルックナーⅡ

19時開演 ザ・シンフォニーホール

大フィルのモツブル・ツィクルス2公演目。

今回は「哀しみのシンフォニー」モーツァルト第40番とブルックナー第2番の組み合わせ。

前回のブログを読み返したところ、今回の印象とほぼ同じことを書いていました。公演全体を通して繊細で抒情的な美しさが浸み渡る演奏で、今回はモーツァルトが短調であったので、その印象は一層増した感じです。

ブルックナー・イヤーの今年、この日を含めて10作品(0~9番)のうち7作品を聴きましたが、その全体を通しての感想も同様で、ブルックナーの、特に緩徐楽章における美しさを知ったことが大きな収穫です。

これまでは、金管の咆哮、リズミックなスケルツォ、ゲネラル・パウゼ(の残響)などが沼ポイントでしたが、それに抒情的な美しさが加わり、沼の底がさらに深まったの感。

ということで、この日の演奏では第2楽章アンダンテが特に美しく、弦、木管はもとより、細く吹かれるホルンの音色にも魅了されました。標題音楽ではないものの、四季の移ろい、もしくは日の出から夜更けまでの一日を描写している音楽にも聴こえ、美しい響きに身を委ねる至福の時間でありました。

その後に来るスケルツォがまたお楽しみで——第1稿では、(恐らく)ベートーヴェンに倣って2楽章をスケルツォとしていたそうですが、この第2稿での3楽章スケルツォの順番の方が断然よいです。美しいものの多少長めの2楽章を聴いた後に、リズミックな愉悦感のあるスケルツォが来るのは、ワーグナーの楽劇の第3幕前奏曲(ローエングリン、ワルキューレなど)のような楽しみがあり、人間の生理に適っていると感じました。

今回も至福の鑑賞体験でした。次回は11月にモーツァルトのジュピター、ブルックナーは第1番——と、その前後には海外オケ来日公演で8番と9番も聴くのですが——楽しみです。

◇座席
2階最後列下手側(前回と同様)。

◇その他
カーテンコール時にマエストロの短いトーク。「練習を始めたときには『台風で中止になるよ』と言っていました(笑)」。私も数日前からヤキモキと台風進路を注視していましたが、3日前の予報では、この日の15時に台風の中心が大阪にいることになっていました。外れてよかった。当日は時折り小雨がパラつく程度でした。

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