2023年4月14日(金)第3回 芦屋国際音楽祭

18時30分開演 カトリック芦屋教会

ヴァイオリニスト日下紗矢子さんが主宰する音楽祭、昨年に続き今年もその初日を聴きに行ってきました。

室内楽を演奏家のすぐ間近で聴けることが魅力で、昨年の心地よい記憶がずっと残っており、今年もまたその幸福感を味わいたくて出掛けました。

とは言っても会場の教会は平土間。間近でかつ視界もよい席、となると最前列しかないわけで、テレワークでの仕事をさっさと終わらせ自転車をかっ飛ばして会場へ。外で30分以上待ちましたが、その甲斐あって最前列の中央に陣取ることができました。

前半は「プレコンサート」として、芸文センターのスーパーキッズ・オーケストラに日下紗矢子さんが加わり、モーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」とレスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア」第3組曲のうちの2曲が演奏されました。

「キッズ」とは言っても技術的にはほぼプロの領域でアンサンブルは素晴らしく、しかもひたむきさのある演奏で、「アイネ・クライネ」の途中では涙腺が緩みそうになりました。

本編「オープニングコンサート」の曲目は、ドホナーニ、グリエール、アレンスキー、と名前は聞いたことがあるけれど、あまり馴染みのない作曲家の作品が並んでいましたが、実はそれが目当てでもありました。

こういった機会でもないと聴くことがない作品たちを「予習」するのが今や私の音楽ライフの楽しみのひとつで、そうして数日前から聴いてきた音楽を生で、しかもレベルの高い演奏で聴くことは喜びです。

今回のプログラムでは、最後のアレンスキー作品の四重奏が最大の編成だったのですが、音楽体験として「オーケストラでなくとも、これだけで十分ではないか」と思ってしまう充実感がありました。室内楽を聴くたび思うことではありますが、今回は特に至近距離での鑑賞だったのでなおさらその思いが強かったです。豊かな音の波の中に身を浸す至福の時間でした。

それに加え視界も超良好だったため、奏者同士のアイコンタクトの様子もよく見え、指揮者のいない室内楽での音楽づくりを垣間見ることができたのも収穫でした。特にチェロの中木健二さんの目力は凄かったです。

それからもう一つ、目の前での鑑賞体験でこの日発見したことは、「弦楽器はうるさくない」ということ。金管楽器や声楽は近くで聴くと耳がつんざけそうになるけれど、弦楽器は音量が大きくないことに加え、音の特性としても耳に刺さらないのだなぁ、と——そんなことを考えてしまったのは、今ちょうど業務で「騒音・振動」の教育資料を作成中だからなのでした(余談)。

終演後に日下さんから短い挨拶があり、今回3回目にしてようやく海外から演奏家を招くことができた、とのことでした。この日のヴィオラ奏者のアンドレアス・ヴィルヴォール氏とチェロのペーター・ブルンズ氏はドイツからの招聘。やっと名前の通り、国際音楽祭になったということですね。芦屋市民としても、今後も年中行事として聴きに行きたいと思っています。

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