2024年9月21日(土)太田弦指揮/日本センチュリー交響楽団第284回定期演奏会 ヴァイオリン前田妃奈

14時開演 ザ・シンフォニーホール

連日のシンフォニーホール。

今回のセンチュリー定期は指揮者、ソリストとも若手の組み合わせで、英国に因んだプログラム。とても充実した演奏で満足度の高いものでした。

前半ブルッフ「スコットランド幻想曲」のヴァイオリン・ソロは、7月末にリサイタルを聴いた前田妃奈さん。
やはり素晴らしい演奏でした。リサイタルの演奏はエネルギッシュで力強いものだったのですが、曲調によるものなのか、この日の演奏は金色の線でひと筆書きしたような繊細な美しさ。また別の面を見せてくれたようで、先にリサイタルを聴いておいてよかったです。

太田弦マエストロの演奏には今回初めて接したのですが、今年30歳とはいえ、既にベテランの指揮。協奏曲も交響曲も指揮棒を持たず、両手で柔らかくオーケストラを操るのですが、特に前半のブルッフでは、オーケストラから美音を掬い上げているようで——これはいい音が出る~!という印象——あたたかさが伝わってくる演奏でした。

実は、前日の関フィル定期で更にギターにハマってしまい、帰宅後に再度アランフエスやタンゴの聴き比べなどをしていたせいで、この日の予習ができないままホールに来てしまい、後半のウォルトンはほぼ初聴き状態。

しかし、予習をしても、私の記憶力ではおそらく何も覚えられなかっただろうと思われる作品で、ただオーケストラから放たれる響きに浴するのみでありました。

ウォルトンは1903年生まれ(没年は1983年)、つまり20世紀の作曲家なのですが、この作品は古典的なスタイルを守った交響曲。なので、初聴きでも作品の概要が掴めたのは助かりました。4楽章フィナーレの輝かしい響きは、コルンゴルトなどに通じる(映画音楽的な)新しさを感じるものでした。

◇ソリスト・アンコール
マスネ:タイスの瞑想曲

タイトルとURLをコピーしました