14時開演 びわ湖ホール大ホール
2022年1月の上演から約3年、再びこのオペラを鑑賞することができました。
今回の指揮者は、現びわ湖ホール芸術監督の阪哲朗マエストロ。
主要キャストの砂川涼子さん(姫)、迎肇聡さん(翁)、森季子さん(媼)、晴雅彦さん(大伴行幸:当て書き)は前回と同じ。それ以外も声楽アンサンブルの方が前回とは別役での出演など、メンバーの多くは前回と大きくは変わっていませんでした。
わかりやすく、楽しく、美しいオペラ。
オペラとは、高尚で取っつきにくいもの、という概念を取り払ってくれ、かつメロディアス、巧みな管弦楽で音楽的にも素晴らしい。年数を置かず、再演してくださったことに感謝です。
演出も前回と同じく、オーケストラは舞台の上で、オケの前面に一段高く設えられたアクティング・ゾーンでの演唱。バックのスクリーンに情景の投影、オケ後方の両脇に竹林、その後ろに合唱ひな壇、という構成。なお、合唱は声楽アンサンブルに加え、一般公募の方も50名ほど入っておられました(知り合いの方も数名)。
前回の楽しかった記憶と照合しながらの鑑賞。同じプロダクションをほぼ同じ条件で見る、というのは初めてのことでしたが、もう一度見て聴きたかったシーンに生でまた触れられる、というのは嬉しいことです。
が、なんとなく今回は全体的に「間」が良くなかった、と感じました。
第一景から第二景に移る間がかなり長かったのは、なんらかの舞台裏でのトラブルと推察しましたが、見せ場のひとつ、第三景の求婚者「プレゼン」の人物入れ替わり時は、演劇的にも音楽的にも流れが途切れてしまっていて勿体ない、と感じました。前回はもっと畳みかけるような面白さがあったように記憶しているのですが。
また、今回は帝が声楽アンサンブルのバリトンの方だったのですが、この方に合っている役だったのかどうか? 前回の松森治さんはバスの深々とした声で、能の謡のような表現もされており、非常に説得力があったのですが、今回の方はやや高めの声質とまだお若いのかメイクにより稚児のように見えたりもして——適齢期男子なので青年の設定なのでしょうが、威厳をあらわすには、周りのキャストに比して少々若すぎる感がありました。初日だったので、まだ不慣れな面もあったのかもしれません。
ということで、ちょっとずつ足りない感があったことは否めないのですが——でもやはり素晴らしい作品なので、満足感は大きいものがありました。感動のエンディングの合唱、一緒に歌わせてもらいました(スミマセン)。
◇座席
K列下手側。
◇その他
びわ湖ホールは、昨年12月の「天国と地獄」以来の約1年振り。なんと!あんなに通い詰めていたのに。ホールのレストラン「オペラ」の「ステーキランチ」を目当てにかなり早く家を出たものの名神高速道路の渋滞でホール着は13時前。ステーキ売り切れ残念。でもビーフシチューセットも美味。そして何より湖の見える景色。ヨーロッパの古い歌劇場に行ってみて、このホールの快適性、素晴らしさを再認識しました。
開演前には湖面に虹も。