15時開演 フェスティバルホール
今期初の大フィル定期は、エルガーのオラトリオ「ゲロンティアスの夢」。
大編成のオケと120名弱の合唱団、音響的にも見た目的にも壮観で大迫力。
エルガーらしい風格ある和声進行に美しい旋律、圧倒的なフォルティシモなど聴き応え十分。滅多に演奏されないこの作品に生で触れることができ、よい体験が得られた演奏会でした。
しかし——声楽的には「隔靴掻痒」の感。
「司祭」および「苦悶の天使」のバリトンの声が薄く、響かない(不調だったのでしょうか?)。また、第2部から登場した「天使」のメゾ、中音域のe母音が何故か平たい地声に聴こえ、このあたりから「アラ探しの旅」に出てしまい——ストーリー展開が頭に入ってこない状態での鑑賞となってしまいました。オーケストラの演奏は素晴らしかったのですが。
合唱は割合として女声が多過ぎ、響きが飽和状態。男声と同数程度の方が響きのバランスがよかったのではないでしょうか。
自分の活動とは矛盾しますが——合唱作品はプロ合唱で聴くべき。そんな確信を深めてしまった演奏会でもありました。
「眼高手低」という四文字熟語が頭をよぎる今日この頃です。
◇座席
2階下手側6列目。