14時開演 京都コンサートホール 大ホール
京都在住の友人(音楽仲間)と会う目的で検索し、「こんなによいコンサートが!」ということで出掛けた演奏会。
この音楽祭は毎年開催されているようですが、それと意識して聴きに行ったのは初めてでした。と、11月のコンセルトヘボウもラインナップに含まれているので、2年前の同じく11月に聴いたコンセルトヘボウもその一環?だったのかもしれません。
ということはさておき、この日は「英国プロ」で、前半にエルガーのチェロ協奏曲、後半にホルスト「惑星」という、なかなかに魅力的なもの。振り返ると、「惑星」を全曲通して生で聴くのはこれが初めてで、その意味でも有意義な演奏会でした。
エルガーのチェロ協奏曲は、「暗い情緒」とでもいったチェロの歌を、堅固に構築されたオーケストラが支える、といった印象の音楽でしたが——この日の最大の聴きどころはマエストロのオーケストラ制御の巧みさでした。バックのオケに音量で負けてしまいそうになるチェロ独奏の部分は、オケの音量を極限まで絞り、独奏が休みに入ると解放してオケを大きく歌わせる。これにより、独奏チェロとオケの美しさを交互に味わうことができました。
これは、オペラを多く振られている沼尻マエストロの、歌手とオーケストラとのバランスを取る技術があってのもの。オペラで、独唱、重唱、合唱などあらゆる場面でオーケストラとの音量調整をすることに比べれば、協奏曲で独奏楽器とのバランスを取るのは容易いことなのかも知れません。とにかく、この日最大の収穫でありました。
後半の「惑星」。これはもう、「エンタメ」として享受しました。ホールでオーケストラを聴く喜び。
終曲「海王星」では女声合唱が入るのに、合唱団名がクレジットされていないのが不思議でしたが、これはシンセサイザーで演奏されました。PA感満載の音質で違和感は否めず。とは言っても、全席3,000円(京都市民は抽選で400名招待)の超リーズナブルなチケット代を思うと、これは仕方ないですね。生合唱での鑑賞は今後への積み残しです。
◇ソリストアンコール
エルガー:アデュー(さようなら)
独奏チェロに弦楽4部がピッツィカートで加わった、とても魅力的な演奏。
帰宅後検索したところ、ピアノ譜があったので早速ダウンロード購入(笑)
◇座席
3階席下手側最前列。
このホールの中央部分は響きが減衰するので、あえて壁際を選んで正解。視界も良く、満足度の高い鑑賞でした。