2022年1月20日(木)大植英次指揮/大阪フィルハーモニー交響楽団第554回定期演奏会

19時開演 フェスティバルホール

憧れのアメリカ。
主にガーシュイン作品で構成されたプログラム。
シンプルにオーケストラっていいな、と思える演奏会でした。

古典(クラシック)ではなく、ミュージカルやジャズの音楽を大編成のオーケストラで聴ける、ひたすら楽しくて贅沢なひとときでした。

1曲目の「キューバ序曲」、クラベス(拍子木)によって繰り出されるルンバのリズムに思わず体が反応。「右手でゆるく指揮するな!」クレームがよく言われるクラシック・コンサートですが、こんな音楽の場合は少々動いてもいいのではないかとの自己判断により(笑)座席でモゾモゾしてしまいました。

この日のメインとも言える「ラプソディ・イン・ブルー」。
中野翔太さんのピアノ独奏、これが素晴らしかった!キレキレのカデンツァは全くの自作(即興?)だったようです。中野さん、パッと見はとても真面目そうで、ベートーヴェンのコンチェルトでも弾きに来たような雰囲気でしたが、音楽はとってもジャズィー!アンコールも同じくガーシュイン「A Foggy Day」(これも中野さんのアレンジ)で、一瞬にして「高層ホテルのラウンジ、夜景、ウィスキーグラスの氷」空間に移動してしまう(ステレオタイプ笑)なんともお洒落な音楽でした。

後半は、有名な「アイ・ガット・リズム」を含むミュージカル「ガール・クレイジー」序曲やオペラ「ポーギーとベス」の管弦楽編曲版、およびガーシュインと同時代のグローフェによる「ミシシッピ組曲」。

「ポーギーとベス」は一昨年Metビューイングで観て大変感銘を受けたのですが・・しかし「サマータイム」以外のメロディは全く覚えておらず・・(汗)途中、バンジョーが入ってくるところで、今度は「あぁディズニーランドに行きたい」と思ってしまいました(笑)。ウェスタン・ランド。バンジョーがオーケストラに入る、という珍しい音楽ですが、バンジョーとオケがユニゾンで半音下がるフレーズに殊のほか心魅かれてしまい、今でも耳に残っています。

ガーシュインの活躍した1930年代のアメリカ。
クライスラー・ビルディングが1930年、エンパイヤ・ステート・ビルディングが1931年の竣工ですから、摩天楼に象徴されるようにアメリカが上へ上へと伸びていった輝かしい時代。そのころの活気や熱や心の浮き立つような楽しさのなかに引き入れられたような、それは楽しい演奏会でした。

ところでこのコンサート、本来はウェイン・マーシャルの指揮、弾き振りで組まれたプログラムでした。定期会員継続時のアンケートに「指揮者、演奏家が変わってもプログラムは変えないで欲しい」と書いたのは私ですが・・そして、この日の演奏は素晴らしかったのですが・・でもやっぱりこれは本場のウェイン・マーシャルで聴きたかったな、と。シャルル・デュトワ同様にプログラムごと「取り置き」しておいて欲しかったな、と思ってしまったのでした。

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