17時開演 フェスティバルホール
我が家のほぼ恒例年末行事、大フィルの第九、今年も行ってきました。
当初指揮者のラルフ・ワイケルト氏が来日不可となり、12月初旬にN響定期を振ったデスピノーサ氏に変更。著名指揮者が日本に留まっておられて良かった、と勝手に安堵しましたが、その思いは皆さん同じではなかったかと思います。
毎回ソリストは二期会のトップ歌手の方々で、これが目当てだったりするのですが、今回はS三宅理恵さん、A清水華澄さん、T福井敬さん、B山下浩司さん(去年は青山さんでしたが、今年は同じイル・デーヴの山下さん)
ソリストはヴァイオリン群の後ろ、という昨年と同じ変則的な配置。距離が十分に取れているので、マウスシールドはもちろんパーティションもなしでした。
合唱団はこれも昨年と同じで「東混マスク」(東京混声合唱団が発案した「歌えるマスク」)。これは口を開けやすく、不織布よりも響きが通りやすいのかもしれませんが、しかしカルト集団のような見た目の異様さには慣れません(笑)
合唱団の編成はS35、A26、T22、B24。ソプラノがかなり多いですが、高音が多くしんどいのでこれくらいの比率でちょうどよいかと思いました。テノールは助演が4名ーーこの4名がかなり強力助っ人だったようで、フーガの入りの強靭な声にはハッとさせられました。
そういえば、終盤なんと福井敬さんの声がヴァイオリン軍団にかき消されて聴こえない、という初めての事態に遭遇しました。重唱、合唱、オケを背負っても突き抜けて聴こえてくる絶対王者の福井さんが聴こえない?私の席はソリストから最も遠く音響的には不利な位置ではありましたが、感染対策上のこのソリストの配置、やっぱり難があるな、と思ってしまいました。
と、気づいたことばかりを書き連ねてしまいましたが・・
マエストロは丁寧に音を紡ぐような指揮で、全体的に歌心のある美しい演奏でありました。大フィルなのでもちろん(?)弦16型でしたが、良い意味で大編成を感じさせない繊細な響き。最近の大フィルサウンドの傾向でもあるのかな、と思いました。
恒例の合唱団アカペラ「蛍の光」も美しかった。
- これを聴くとやはり年の瀬を感じます。
満足感のある第九演奏会でした。
◇座席
2階最前列上手側
◇その他
清水華澄さん、チケット取った日にTwitterにリプ入れてくださり、それも嬉しくて楽しみにしていました。この日も晴れやかな笑顔でその存在だけで場が明るく華やか。もちろん歌唱も素晴らしい。カーテンコール時も合唱やオケの方に拍手を送りながら出入りされていて、合唱女子にファンが多いのは歌唱技術はもちろんのこと、この心遣い、お人柄の良さだな、と。三宅理恵さんの赤いドレスと華澄さんの青いドレスの色彩バランスも良く事前に打ち合わせされたのかな、と思いました。