2023年12月18日(月)ヤン=ウィレム・デ・フリーント指揮/読売日本交響楽団「第九」

19時開演 フェスティバルホール

昨年同様、読響大阪定期の第九を聴きました。

今回の指揮は、オランダ人指揮者のフリーント氏。
私はお名前を聞くのも初めてでしたが、ピリオド奏法をモダン楽器に適用し、バッハやヘンデルを演奏することで国際的な名声を確立したマエストロだそうです。

フレーズを短く切り、敢えて響きを抑えた演奏で、ピリオド奏法のようだと思いながら聴いていましたが、終演後にプログラムでマエストロのプロフィールを読み、やはりと納得。ピリオド奏法ではあるものの、オーケストラの並びはチェロが手前に来るアメリカ式配置で、弦12型の編成でした。

マエストロはオランダ人らしく長身で、指揮台なし(必要ない)、指揮棒もなし。指揮台による可動スペースの制限もないので、右に左によく動き、ジャンプも多数。踊る系とは異なる運動系?の指揮。それ以外には、特に何かを感じることはなく、オケは上手いし、ソツのない第九といったところで、2楽章と3楽章では何度か夢の世界をさまよっておりました。

ソリストは女声が優勢。森谷真理さんの安定した密度の高い響きのソプラノはさすがでした。テノールのみ外国人歌手だったのですが——楽譜を見ながら、しかも腰の弱いオペラティックな歌唱で(「こうもり」アルフレードの鼻歌のよう)、海外からの招聘に疑問を感じました。こういう場面に出くわすと、日本の第九のソリストはやはり歌い慣れた日本人歌手がよいのでは?と思ってしまいます。

合唱は昨年と同じく新国立劇場合唱団。20名ずつ3列の60名で、S17、A16、T12、B15の内訳(これは双眼鏡でフーガの口の開け方を観察して数えました笑)。さすがに上手く、声量も十分。合唱団は最初からひな壇に座っており、ソリストは3楽章前の入場で、オケ後ろでの歌唱でした。

というようなことで、ほぼ備忘録な記事となっていますが——ユニークな奏法での演奏も悪くはないけれど、もっと大きなメッセージを感じたい——第九はほぼ毎年歌って聴いているけれど、感動レベルの演奏に出会うことはあまりないかもしれない、と考えながら帰途に着きました。

 

◇座席
2階2列目のほぼ中央(定期会員の席)

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