2024年1月18・19日(木・金)尾高忠明指揮/大阪フィルハーモニー交響楽団第574回定期演奏会

19時開演 フェスティバルホール

ブルックナー交響曲第6番。この作品、大好きなので2日とも鑑賞しました。

演奏機会が少ないと言われる第6番。しかし、2020年7月に飯守泰次郎マエストロ/大フィルで、2022年9月には佐渡マエストロ/PACで聴いたので、私が生で最も多く聴いているのがこの6番です。

2日聴きましたが・・また聴きたい!です。
冒頭弱音での弦の付点三連符の刻みから始まり、これぞブルックナー!の金管から放たれる音圧(膝に載せたダウンコートがプルプル笑)、もうハマってしまってまだ帰って来れません。

この1楽章の冒頭にまず惹きつけられるのですが、今回の演奏で特に印象的だったのは2楽章アダージョ。弦のアンサンブルが陶酔的な美しさで、この世に存在する全オーケストラ作品中最も美しいものではなかろうか、と思いつつ聴き入りました。

その後も楽しみは続き、3楽章は私の大好きなスケルツォ。弦のピツィカートもチャーミング。4楽章の主題回帰に再び惹き付けられ、華やかなコーダで締めくくられる——完璧な交響曲ではないでしょうか。

なぜ演奏機会が少ないのか?不思議です。
(ベルリン・フィルの演奏記録を見ると、6番は4番に次いで演奏回数が多いので、日本だけの現象なのかと思ったり‥)
ポリフォニックな部分がなくストレートに分かり易すぎるのが、玄人筋およびブルックナー・ファンには刺さらないのかと推測したりもしますが、こういうことを書きだすと無駄に長くなるので以下省略。

それにしても、尾高マエストロの導く大フィルの演奏は素晴らしく——特に2日目は完璧だと思いました——ブルックナーの魅力を全身で浴びることができました。幸せでした。

前半の武満徹「波の盆」も素晴らしい演奏。
弦でゆったりと奏でられる主題は、大海原の情景や過去への追憶といったものを思い起こさせます。涙が頬を伝う音楽。それとともに、良質なテレビドラマがつくられ、それを家族で観ていた昭和の茶の間の風景も浮かんできました。

 

◇座席
1日目は2階席最前列中央。2日目は(少し遠慮して?)2階席最後列やや下手寄り中央。

◇その他
イヤーの今年、大フィルの演奏するブルックナー交響曲をまとめたチラシが入っていました。


関西では、0、1、2、6、7、9番を大フィル、3番はセンチュリー(済)、5番は関フィルが演奏します。最もポピュラーな4番と最高傑作とされる8番がないのが惜しい。秋に海外オケが持って来てくれないかな、と期待しています。

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