18時30分開演 高槻城公演芸術文化劇場 南館 トリシマホール
昨年9月、本山秀毅氏のもと結成された新しい合唱団「オラトリオアカデミー関西」の第1回コンサート。

「知られざる名曲を積極的に取り上げ紹介する」というコンセプトでレパートリーを選んでいるとのことで、今回はプッチーニと、プッチーニと同じトスカーナのルッカ出身で同時期に活動しながらあまり知られていないカタラーニの各ミサ曲が演奏されました。演奏会タイトルの「ルッカの光」はプッチーニ、「影」はカタラーニでしょうか(ちょっと可哀そう?)。
プッチーニの「グローリア・ミサ」は10数年前に歌ったことがありますが、カタラーニは名前を聞くのも初めて。冒頭の「Kyrie」から心を掴まれるメロディアスで美しい音楽でした。いきなりtuttiの合唱から始まるので、随分と難しそうな曲だと感じましたが、取り組み甲斐がありそうです。楽譜の入手が困難、とありましたが、これを機会に今後歌われる機会が出てくるのではないでしょうか。
ところで、合唱団の顔ぶれを見渡すと、なんと知り合いの多いこと!今回ご案内いただいた友達の周り4名の方が、それぞれ別の合唱団での知り合いだったのには我ながらウケてしまいました。我が合唱団遍歴を辿る思い。皆さん複数の合唱団掛け持ちなのでしょう。
団員数は80名程度。男声が極端に少なかったのですが、テノール・ヴォイスがしっかり聞こえていたのは、エキストラのプロによるものでしょうか?一方、人数の多いソプラノは高音もしっかり上がって聞こえていたので、さすがはベテラン合唱団員揃い、と感じた次第です。
プッチーニ「グローリア・ミサ」は、歌ったことがあるし、美しい「プッチーニ節」のテノール・ソロや「Agnus Dei」などはとても印象深い旋律なので、覚えているだろうと高を括って予習はしなかったのですが——はい、冒頭「Kyrie」などは、全く覚えておりませんでした。覚えていたのは、この作品の通称名にもなっている「Gloria」の大合唱と、前述のテノール・ソロ「Gracias」および終曲「Agnus Dei」のみ(笑)。テノール・ソロは、当初のソリスト、清水徹太郎さんで聴きたかったなぁ、とも(快癒をお祈りしています)。
さて、このトリシマホール、一昨年に竣工したホールで、訪れるのはこれが初めてでした。近年の木質系建築の潮流によるものか、杉材がブロック状に壁や天井に嵌め込まれている一見ユニークな内装。舞台の壁(音響反射板)は上に向かって黒くグラデーションがつけてあったのですが——なんだか焼け跡にも見えたり。
また、正面奥の壁がプロセニアムの間口よりも極端に狭まっている舞台形状のため、合唱が並びきらず、ソプラノとアルトは側面にも雛壇設置。人数の多い合唱ではやや使いづらいホールかもしれません。音響は特に違和感なく。それよりも、終演後、ホワイエに合唱団の方が出て来て「客出し」をされていたのですが、そのごった返しとテンション高めの話し声の反響のすさまじさが耐え難く、友達には申し訳ないけれどソソクサと会場を後にしてしまいました(帰宅後LINEでお詫び)。
◇座席
1階上手側後方。自由席なので2階を目指しましたが2階席は不使用。


