2020年12月31日(木)びわ湖ホール ジルヴェスター・コンサート 2020-2021

15時開演 びわ湖ホール

昨年までは「ジルヴェスター合唱団」として登壇させていただいていたのですが、今年は客席での鑑賞となりました。

合唱団およびファンファーレ隊の一般公募がなくなり、15時開演でカウントダウンもなくなってしまいましたが、華やかな楽曲で一年の締めくくることができました。

この一年間で印象に大きく残った演奏の多くがチャイコフスキー作品でーー大フィル定期「マンフレッド交響曲」ウィーン・フィル「悲愴」、そして先日の京響コンチェルトーー今年は、やっぱりチャイコフスキーは素晴らしい!と再認識した年となりました。

ヴァイオリン・コンチェルトの服部百音さん。今回初めて生で拝見しましたが、やはり素晴らしい。そして舞台姿も美しい。真っ赤なドレス、上半身を全く動かさずスーッと滑らかに舞台を移動する様はまるでフィギュア人形が動いているかのようで見惚れてしまいました。華やかな技巧はもちろん、迫力ある低い重音などは「老成」という言葉が浮かぶほどに成熟を感じるもので、「天才」とは年齢を超えた存在なのだと改めて認識しました。

休憩を挟んで、後半はびわ湖ホールらしく、オペラ・アリアなどの演奏。「カルメン」の「闘牛士の歌」や「ナブッコ」の「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗りて」は、合唱募集があれば後ろで歌えたのになー、とつい考えてしまいーーこっそり一緒に歌ってました(笑)。
最後は、バレエ組曲「くるみ割り人形」。終曲「花のワルツ」は、私の中では掛け値なしの「幸福を感じる楽曲」なのですが、これが今年の締めくくりで本当に嬉しかった。チャイコフスキー最高!

年明けからは思いもしない事態となり、世の中のあり様も大きく変わってしまったこの一年。それでもこのようにして素晴らしい音楽を享受できていることは、幸運であるとしか思えません。華やかなコンサート・ホールの客席に座り、こうしてのうのうと音楽を楽しんでいることに多少の罪悪感を持ってしまっていることも事実です。しかしその一方で、苦境に立たされている音楽業界のことを思うと、可能である限りこうして演奏会に足を運ぶべきである、との考えも頭をよぎりーーいや、でも殆どの演奏会には「聴かせていただいている」気持ちで行っているのでーー高い能力を持って生まれた方が研鑽を積んで初めて舞台に立たれている訳で、「行ってあげる」などという考えは持ちえないーーしかし、観客がいないと演奏活動は成り立たないわけで・・と、コロナ禍以降、いつもこんなことをぐるぐると考えています。
でも、結論としては「コンサートに行く」ということで(笑)、コロナ禍であろうとなかろうと、これからもいっぱい聴きに行くつもりです。

◇座席
2階席最前列上手側。1階席後部のように見えるここの席は、体勢が若干捻れるものの視界良好でコスパ良。

◇その他
恒例で琵琶湖ホテルに宿泊。露天風呂(天然温泉)に入ったところ、ちょうどBGMで「花のワルツ」が流れていました。大津港の噴水のライトアップも見え、まるでディズニー映画「ファンタジア」を観ているかのようで至福の時間。満月に照らされた湖面、月の光の明るさに古来の歌詠み人の心境に思いを馳せました。
 

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