14時開演 フェニーチェ堺 大ホール
昨年のスカラ座来日公演と同じホールで、再び藤田真央さんのコンチェルト目的でのコンサート鑑賞。

数年前のヴェルビエ音楽祭の配信で、タカーチ=ナジ氏指揮でベートーヴェンのコンチェルト(確か2番)を聴きましたが、マエストロの生き生きとした音楽の運びに惹き込まれたのを覚えています。そのコンビで聴けるのだと、チケット抽選に応募。
ベートーヴェン初期の作品によるプログラムで、前半にコンチェルト2番、休憩を挟んでコンチェルト1番と交響曲1番、という構成でした。
――と。
まさに「席ガチャ」外れ。去年のスカラ座で慌てて抽選に応募し不本意な席だったのをすっかり忘却の我が学習能力のなさにも落胆。今回引き当てたのは、1階中央ど真ん中。半席ずらしでないこのホールの座席配置により、前席客の頭でほぼ視界を塞がれる座席でありました。首を右に左に動かしつつ鑑賞。いくら演奏がよくても、満足度は爆下がりです。
しかしやはり、真央さんの演奏は素晴らしい。
なかでも、1番1楽章のカデンツァ。おそらく自作と思われますが、「藤田真央」の魅力のすべてが詰まっている、と感じました。冒頭ウナ・コルダによるオルゴールを思わせるまるく密やかな音色。徳を積み上げ特上ランクの天国に行かないと聴けない音楽ではなかろうか?と。かと思えば、中盤以降の強いタッチでの和音連打。超絶技巧かつすべての音が聴こえる――。
マエストロの全身表現によるキビキビとした指揮。全員で30名ほどの小編成のオーケストラ(BPh、WPh、RCOなどの奏者が含まれていたらしいです。プログラムを買わなかったので不明ですが)は、奏者それぞれの熱量が高く、能動的に音楽を奏でている様子。海外オーケストラを聴きに行く価値はここにある、と再認識。
オーケストラのアンコールは、マエストロにちなみ、ブラームス「ハンガリー舞曲第5番」とヨハン・シュトラウスⅡ「ハンガリー万歳」。マエストロの日本語による紹介付きでした(発音良し!)。クレズマー音楽のような大衆性を感じる演奏。マエストロの真髄はこれでは?と感じたりもしました。
◇ソリスト・アンコール
ラフマニノフ(藤田真央編):「ここは素晴らしい場所」
複雑かつ精緻に編み込まれた超絶技巧の美術品のよう。ここは天国以上の場所。真央くん、ありがとう(涙)
◇座席
1階22列中央(ここをSで売るな、と言いたい!)
◇その他
同日いずみホールではケヴィン・チェンのリサイタル。ヴェルビエのチケット入手後に知ったのですが――どちらにするか迷わずに済んだのがよかった、と思うことにします。

ってか、同じ日に大阪にいたりしないでください‥。

