2019年10月25日(金)尾高忠明指揮/大阪フィルハーモニー交響楽団第532回定期演奏会

フェスティバルホール 19時開演

 昨日のセンチュリー定期から帰って来られないまま(笑)、仕事帰りにフェスティバルホールへ。
 今回、人生で初めて(大袈裟?)オーケストラの「定期会員」というものになってみました。
この作品!このマエストロ!と、魅力的なプログラムが並んでいてすべて行ってみたくなったのです。4回分のチケット代で5回聴けるおトク感に抗いがたかったのも事実。

 オールR.シュトラウスプログラム。
輝きを持った豊かな和声。オーケストラの魅力を存分に味わうことができます。
でも、しかし・・いつも思うことですが、私の中ではR.シュトラウスは「通過する音楽」なのです。
捕えられない美しい獣のように、あっという間に去って行ってしまう。鑑賞している最中は至福の時ですが、次々に現れるメロディは瞬時に消え去り、私の能力では記憶に刻まれないのです。耳に残る一節を歌いながら帰ることはできません。唯一歌えるのは「ツァラトゥストラかく語りき」の冒頭くらいでしょうか。指揮者や作曲家などからの評価が極めて高いという印象だけれど、「歌えない」という意味で私はその素晴らしさが今一つ理解できないのです。今後理解できるようになるかもしれませんが。
 とは言いつつも、オーケストラの豊かな響きを堪能し、フレンチコースをいただいた後のような満足感を得て帰途につきました。

オーボエ協奏曲 ニ長調
とにかく、オーボエの演奏技術が素晴らしい。ベルの先から次々と繰り出される完全球体の音。
ヨーロッパの緑の丘を駆け抜ける薫風のような曲想で、目を閉じてその風景を思い浮べながら聴いていました・・しかし、昨夜の興奮で寝不足ゆえ、ほどほどに目を開けるように努力。

四つの最後の歌
ソプラノのゲニア・キューマイヤー、少し前に録画していた「ベートーヴェンミサ曲ハ長調」(NHKクラシック倶楽部)を、このコンサート翌日に再生したところ奇しくもソリストが彼女でした。
しかし、この日はどうも調子が良くなかったようで、やや高音のあたりで上顎に張り付いたような発声になっており、しかも声はオケに埋没。
でも埋没の原因は声量ではなく、そもそもこの楽曲の編成に問題があるのでは?リートの伴奏にこのフルオーケストラはちょっとキツイ、オケをピットに入れたらどうでしょう?などと考えながら聴いたのでした。

◇座席
2階最前列中央やや下手。音良し、視界良し、客層良し。これが定期のマイシート!幸せ。

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