2022年7月17日(日)辻彩奈&阪田知樹 デュオリサイタル

15時開演 豊中市立文化芸術センター 中ホール(アクア文化ホール)

辻彩奈さんと阪田知樹さん、どちらも今最も聴きたいヴァイオリニスト、ピアニスト。
そのお二人のデュオリサイタルとあって、行かないわけにはいきません(笑)

ということで、3連休の中日、「ラ・ボエーム」の翌日ではありましたが、足を運びました。
この全国ツアーのリサイタルはプログラムが4種類あり、後半にショスタコーヴィチが据えられた豊中でのプログラムが最も「攻めた」感があり、それが嬉しくもありました。

前半3作品のなかでは、やはりストラヴィンスキー「イタリア組曲」が標題音楽でもあり、色彩感があって俄然聴いていて楽しめるものでした。

しかし、なんといっても後半のショスタコーヴィチのヴァイオリンソナタが素晴らしかった。
このお二人に今期待していたのは、まさにこの音楽でした。

辻さんの艶やかでありながら切れ味の鋭い演奏には、多少難解で込み入った感のある音楽の方がぴたっとはまるように思います。これまでに聴いたブリテンやブルッフの超絶技巧に感嘆したのもあり、その類のものをこちらが求めていたのもあると思います。

阪田さんについても「ピアノ演奏で難しいと思ったことはない」と音楽番組で仰っていたほどの技巧派なので、その演奏技術が発揮される音楽を聴きたいと思っていました。
前半プログラムでは、そういう楽曲なので仕方ないことではありますが、「爪を隠した鷹」状態、やや物足りない感があったので、このショスタコーヴィチは聴きごたえがありました。

込み入った音楽であればあるほど、聴きごたえが増すのは、高い演奏技術のなせる技。30分を超えるこの大曲を聴き終わった後は、なんともいえない充実感がありました。

◇アンコール
ショスタコーヴィチ(ツィガノフ編):24の前奏曲 op.34より第10番
パラディス:シチリアーノ

◇座席
通路すぐ後ろの下手側。
扉に近い席でしたが、このホール、空調バランスが崩れているのか、扉からの風切り音がかなり気になる。端席の(いかにも音楽をされている感じの)若い男性客は耐えられない様子で、途中で席を変わっていました。

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