2022年9月12日(月)セバスティアン・ヴァイグレ指揮/読売日本交響楽団 第33回大阪定期演奏会 ピアノ辻井伸行

19時開演 フェスティバルホール

6月に続き、2回目の読響大阪定期。
今回は常任指揮者セバスティアン・ヴァイグレで、ピアノ独奏は辻井伸行さんという豪華版でした。

辻井さん登場とあって満席。舞台には弦16型・4管編成の大オーケストラが並び、贅沢な気分を味わえる素晴らしい演奏会でした。

辻井さんを生で聴くのは今回が初めてでした。
TV出演も多く、また、何かピアノ曲を聴こうと思って検索すると、その演奏が上位に上がってくることが多いので、聴く機会は多かったのですが、なかなか生で聴けずにいました。

キラキラとした粒立ちのよさの中にしっかりとした芯がある音、というのが辻井さんの音色だと感じていましたが、生で聴く印象も同様のものでした。そして小柄な割に手が大きい、というのも改めて感じました。ピアノを弾くために生まれてきた人。そんな印象を持ちました。

コンチェルトなので、ピアノの出番の少し前にピアノの両端に手を置き、ポジションを確認してから弾き始める、そんなことも今回知りました。
話しをするとき、いつも体を前後にゆすっておられますが、それは演奏の出番を待っているときも同じ。曲のテンポに合っていないので、混乱しないのかな?と思ったりもしましたが、動きとテンポ感は別物のようでした。

後半はリヒャルト・シュトラウス「英雄の生涯」
生で聴くのは初めてなので予習はしっかりと、いつもの如くベルリンフィル・デジタルコンサートで3回ほど視聴しました。交響詩ですが、楽章立てになっており、下記タイトルが付けられています。
1.英雄/2.英雄の敵/3.英雄の伴侶/4.英雄の戦い/5.英雄の業績/6.英雄の引退と完成

比較的分かりやすい標題音楽ではあるのですが、いやしかし、生で観て聴いたときの分かりやすさは感動的でした。特に「英雄の敵」の木管の錯綜した旋律。「英雄」とは作曲家本人のことらしいので、「敵」とは批評家やライバル、あるいは悪意ある聴衆なのでしょうか?ヒソヒソと悪口を囁き合うさまが浮き立って現れ、これは映像の視聴で味わうのとは格段に違う楽しさでした。やっぱり生で聴かないと!これだからコンサート通いはやめられません(笑)

そして舞台いっぱいに配されたオーケストラの輝かしく迫力のある響き。これぞオーケストラを聴く醍醐味です。
嬉しくなって、ずっとニコニコで聴いていました。

・・だけど、その楽しみや喜びが割と刹那的であるのも、リヒャルト・シュトラウスの特徴なのです(私見です笑)。今回思ったのは、英雄の主題は「歌いにくい」。キャッチーな旋律ではあるのですが、音域が広く鼻歌には不向き。管弦楽法がナントカカントカ、そんな聴き方をする音楽ではありませんよ、とか言われそうですが・・でもやっぱり歌いながら帰りたいよねぇ・・ってことで、これからもその場で存分に楽しむことにします。

◇ソリストアンコール
ワーグナー/リスト編:「ローエングリン」第2幕より「エルザの大聖堂への入場」
客席の静寂度をためすかのような冒頭美弱音の和音にため息。美しい・・

◇座席
定期会員なので、前回と同じで2階下手側ブロックの最後列。
客席マナーは前回よりは「まし」。開演前の「指揮者が手を降ろすまで拍手はお控えください」のアナウンスが効果あった模様。

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