2023年9月13日(水)カフェ・モンタージュ「ダンシング・リゲティ」

20時開演 カフェ・モンタージュ

先月に続き、カフェ・モンタージュさんへ。
すっかりここのファンになってしまいました。

京響の首席ヴィオラ奏者 小峰航一さんの企画による、今年生誕100年のリゲティの室内楽。

プログラムの中心に置かれた「無伴奏ヴィオラソナタ」は、小峰さんが学生の時からいつか演奏したいと考えていて、今回生誕100年の機会にやっと実現できた、とのことでした。

その他の作品(弦楽カルテット、2つのヴァイオリン、無伴奏チェロソナタ)は初期の作品で、現代的ではあるものの、調性があり、馴染みやすいものでした。
まだまだ蒸し暑い夜でしたが、それぞれの楽器の音色も美しく弦の豊かな響きを堪能でき、秋の始まりの気分にも合った音楽。室内楽の楽しみに浸れるひと時でした。

ヴィオラソナタのみが、それらの作品から40年以上を経て書かれたもので、いわゆる「現代音楽」。平均律の12音に当てはまらない微分音や掠れたような音色が使われており、リゲティは自然界のあらゆる音を表現したかったのだ、とのこと。

微分音(4分音)が使われた作品として、以前センチュリーの定期で、イザベル・ファウスト氏によるバルトークのヴァイオリン・コンチェルトを聴いたことがありますが、リゲティはバルトークへの憧れをずっと持っていたとのこと。ちなみに、この時のブログを見返してみると、このコンチェルトの前にリゲティの「ルーマニア協奏曲」が演奏されていて、私がリゲティを聴くのはこれが初めてではなかったのでした(笑)。

オーナー高田さんのプレトークでの一節「『これはアートだ』という自己申告があれば、アートになりうるのが現代アート(そこに信頼性を与えるというところでリゲティの果たした役割は大きい)」という話も共感するところで——これについてここで書き始めると逸れていくのでやめますが——こういった話題、そしてそれを聞く会場の雰囲気もこのホールの魅力のひとつです。

ところで、ヴィオラ。
ヴィオラのみの音色をこんなに間近でじっくりと聴いたことはなかったのですが、小峰さんの演奏が素晴らしかったこともあり、その深い音色に魅せられてしまいました。ちょっとこれはハマってしまいそうな新たな「沼」です‥。

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