2020年8月23日(日)沼尻竜典×京都市交響楽団 マーラー交響曲第4番

14時開演 びわ湖ホール

8月はコンサート通いはしばしお休み。
今月唯一のコンサートでしたが、前回に引き続きびわ湖ホールで沼尻マエストロ。
ヌマジリアン、快調です(笑)


当初のプログラムは、マーラーの交響曲第1番「巨人」と第10番「アダージョ」でしたが、ソーシャル・ディスタンス確保のため、マーラー交響曲のなかで最も編成の小さい第4番に変更となりました。が、私としてはむしろ演奏機会の少ない4番を聴ける方が嬉しい。そして曲目は変更されても同じマーラーをやっていただけたのも嬉しいことでした。
ちなみに、当初「1番」のプログラムを知ったときの印象は「またかー。ま、いっか」というものでした(笑)

1曲目はマーラー編曲版のベートーヴェンの弦楽四重奏曲第11番「セリオーソ」。
マーラーがウィーン・フィル首席指揮者時代にオケ訓練の意図を込め、コントラバスを含む弦楽合奏曲に編曲した作品。「演奏至難」とのことですが、当たり前ですが聴いている分にはそんなことはまったく判らず、美しい弦の重なりを堪能しました。弦楽演奏の心得がないので、具体的にどのあたりがどのように難しいのか等のレクチャーでも受けているともっと楽しめたかも知れません。

マーラーの第4番「大いなる喜びへの讃歌」
印象的だったのは、弦、特にヴァイオリンの美しさでした。まるで日本刀が絹織物をすうーっと切り裂くかのような細く鋭い高音に涙腺が緩み・・あぁ、美しい!・・と涙がこぼれそうになった次の瞬間、ガラリと曲想が変わるのもまたマーラー(お陰で泣かずに済みました 笑)。
「え、なんで急に変わるの?」と思いつつ、しかしマーラーの脳内多動性にお付き合いするのもなかなか楽しいな、と。これは人間の頭の中、人の思考回路を音楽によって具現化したもの?最近とみに頭に同時に色々なことが浮かび、その結果物忘れが多くなってしまった自分の頭を中を顧みてしまいました。

マエストロはこれまでになく軽快でコミカルな動き。昨年の「指揮者セミナー」で、「力の抜き方」として体をグニャグニャと動かし360度回りながら指揮をして見せていたことを思い出したり、ここはリハーサル時に「ターリラ~」とか歌われていたのではないかしら?と想像したり(笑)。曲調を表し伝える動きであるのはもちろんですが、「びわ湖ホールで京響」の「ホーム感」も感じられました。

4楽章の声楽ソロの部分。私の知る限りではソプラノなのですが、今回はメゾ・ソプラノの福原寿美枝さん。福原さんはメゾより深いアルトの印象なので、そこに何か表現上の意図があるのかと興味津々でした。ですが、聴き終わったあとでも、やはりその声は「大地」のイメージであって、曲調や天上の世界を描く歌詞の内容からしてもソプラノ、それもリリコかレッジェーロが合っているのでは?と思いました。なぜ福原さんだったのでしょう。真相?が知りたいです(笑)

ステージは、オペラ劇場ならではの可変性で前後に広げてありました。後部の反響板を奥に4m移動させ、前部分はピットをせり上げてステージにつぎ足す形。後ろまで見えるように指揮台は3段積!
今回の座席は、1階通路すぐ後ろの上手側だったのですが、ステージが前に張り出していることもあり、管楽器とパーカッションはほぼ全滅的に見えず、残念。大編成のマーラー、ブルックナーなどはやはり後方座席がよいですね(わかっているのに失敗!)。
上手の客席側にハープが配置してあったので、ハープの音、とくにボンっと弾く低音がよく聴こえてきたのはこの作品ならでは楽しめました。

◇その他
開演前にホールで昼食。
現在レストラン「オペラ」は休業で、その代わりにメニューに加わった「ステーキランチ」1,200円はコスパ良、美味しくて満足!でした。

 

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