2024年4月21日(日)第4回 芦屋国際音楽祭 クロージングコンサート

16時開演 カトリック芦屋教会

一昨日に続く音楽祭の鑑賞。

あいにくの雨。自転車で行くわけにもいかず、1駅だけ阪神電車に乗って会場へ。
同行者(夫)が少々足手纏い(出掛けるのが早すぎるなどの文句)で、到着時には既に列ができていたのですが、なんとか下手側最前列を確保。

この日は、弦楽に日下紗矢子さんのお姉様 知奈さんのピアノが入り、シューベルト、シューマン、マーラーの作品によるプログラム。

シューベルトの弦楽三重奏で明るく華やかに始まり、2曲目はシューマン「3つのロマンス」を小川響子さんと知奈さんで演奏。やや小ぶりなスタインウェイが祭壇前部に配置してありました。降雨による湿気でピアノの音が籠りがちではありましたが、粒の揃ったまろやかな響きは室内楽に合い、心地良いものでした。

小川さんは一昨日同様とても表情豊か。明暗、悲喜の対比も鮮やかで、後のシューマンの狂気を感じさせる瞬間もある演奏でした。

3曲目のマーラー「ピアノ四重奏曲断章」は、大変印象に残るものでした。
まず、これはマーラーが16歳の時の作品であるということ。1楽章のみが残された不完全なものですが、16歳にしてこれほどの作品が書ける、マーラーもまた早熟の天才であったのですね。

知らずに聴くとシューマンの作品かと思うような作風で、後の交響曲に感じるような少々異形な「マーラーらしさ」はまだないのですが、その完成度に驚かされました。特に終盤のボルテージが更に一段階上がる部分には鬼気迫るものがあり、その迫力に圧倒されました。

後半はシューマン「ピアノ五重奏曲」。
1楽章の力強い主題も強いメロディではあったのですが、2楽章「葬送行進曲」が耳にこびりついてしまって、帰り道にずっと鼻歌で歌ってました(笑)。

一昨日と反対側の席で聴くと、チェロの低音がよく聴こえ、その渋みを帯びた深い音色にも魅了されました(やや自由過ぎる部分もありましたが‥)。ピアニストの手元狙いで確保した席ですが、副次的恩恵でした。

しかしそれにしても、小川響子さん。セカンドでも彼女が入ることによって演奏の推進力が増し、生き生きとしたものになるのです。素晴らしい。今回の音楽祭の最大の収穫でした。

◇アンコール
なし。
日下紗矢子さんのスピーチ、「この音楽祭が根付いていくよう、来年も頑張ります」とのこと。楽しみにしています!

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