2025年9月28日(日) 山下一史指揮/大阪交響楽団第282回定期演奏会 ヴェルディ「レクイエム」

15時開演 ザ・シンフォニーホール

久々に3日連続コンサート通い。
最終日は大阪交響楽団定期かつ創立45周年記念の演奏会で「ヴェルレク」ことヴェルディのレクイエム。

次の土曜日に関西フィルの定期演奏会にて同じく「ヴェルレク」で登壇するので(会場も同じ)、参考に、との思いもあって足を運びました。

開演前に山下マエストロとコンマス森下氏によるプレトークがあり、今回は創立45周年記念のコンサートであること、またこの日は奇しくも創設者の敷島博子氏の誕生日であること、また、記念の演奏にレクイエム?との疑問もあるが、独唱・合唱を含むオーケストラの最高峰ともいえる作品なので採り上げた、などのお話がありました。

合唱団は男声にエキストラが入って総勢80名弱。この規模で視覚的、音量的にも十分だと感じました。第一曲目 “Kylie” から統制の取れた美しい合唱で、まず、”lux” や “luceat” の “u”の発音が深いことにハッとしたのですが、あとから団員の方にお聞きしたところ、発音だけではなく、アクセントや微妙に異なる箇所の歌い分けなどかなり細かく厳しくレッスンを受けたとのこと。やはり練習の賜物だったのですね。

ソリストは、ソプラノ森谷真理氏、アルト林美智子氏、テノール笛田博昭氏、バス伊藤貴之氏。豪華です。

森谷さんは、珍しく上がり切らない箇所もありましたが、終曲 ”Libera me” の山場の歌唱はやはり圧倒的。笛田さんは身振り手振りを交えてのオペラティックな歌唱。高音は無敵の輝かしさと音圧でしたが、中音域のある一定の音程で発声が変わってこもった声になるのが気になり(以前からこうでしたっけ?)、一度気になるとずっと気になる、の状態で聴いてしまいました。

バスの伊藤さんは安定の歌唱。残念だったのは林さん。この作品の音域、声質が林さんには不向きだったのではないかと。スコアは確かに「メゾソプラノ」となっていますが、コントラルトの深い声質がぴったりくるように思えました。

ソリストは合唱団の前。
ソリストの立ち位置について——私が好きなのは、自分が合唱の時は合唱団の前、客の時はオーケストラの前——つまり、自分にとってよく聴こえる位置にいて欲しい(笑)。なので、この日はオーケストラの前にいて欲しかったし、合唱団の前だと見た目ちょっと窮屈そう。笛田さんの演技も前に空間があった方が映えたのではないかなぁ、と(全部持って行かれる懸念もありますが笑)。

と、つい「こうした方が」的な鑑賞になってしまったのですが、もうひとつ意見があり(笑)、バンダのトランペットはパイプオルガンの横(左右に2名ずつ)で、正面客席に向かって吹かれたのですが、これが1階正面席で聴かされるとうるさくてしょうがない。N響首席の菊本さんも入っておられたと後で知りましたが、演奏は素晴らしかったけれど、合唱が掻き消されていて(一生懸命練習したのに)ちょっと気の毒でした。客数は減るけれど、例えば3階の左右バルコニーを売り止めにして使うとか?ちょっと出入りしにくいか?——などと、考えながら聴いておりました。

気になったことばかりを書き連ねましたが——いよいよ今週末は立場逆転まな板の上のコイ。頑張ります!——ソリストはこちらに負けず豪華です!

◇座席
1階上手側N列。

 

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