2022年2月6日(日)竹澤恭子・宮田大・田村響 ピアノ三重奏

14時開演 びわ湖ホール 大ホール

年明けからはや5回目のびわ湖ホール。今回はピアノトリオを聴きに行きました。

この日はとても寒く、大津駅から琵琶湖に向かう真っすぐの坂道で受ける北風のなんと冷たいこと。合唱練習も含めると何十回と通った道ですが、辛いと思うほどの寒さは初めてで、ホールに到着し暖房のよく効いたエントランスに入り、心身ともにホッとしたのでした。

ヴァイオリン竹澤恭子さん、チェロ宮田大さん、ピアノ田村響さん。いずれも生で初めて聴く演奏家でした。この演奏会は「友の会」での招待で、いくつか選べる公演のうちのひとつだったのですが、選んだ理由はそれでした。

宮田さん、田村さんは、私が近頃追っかけている(笑)佐藤晴真さん、藤田真央さんの一回りほど上の年代で、いずれも国際コンクールでの優勝歴を持つ日本を代表する奏者。このようにトップ演奏家での幾通りものトリオが国内で聴けることはとても幸せなことです。

プログラム前半はリサイタル形式で、まずピアノ独奏から始まり、チェロ&ピアノ、ヴァイオリン&ピアノ。休憩を挟み、後半はチャイコフスキーのトリオ大作「ある芸術家の思い出に」。

ここで少々ワタクシ事になってしまいます。
この前半プログラムの最初の4曲は、いずれも演奏経験があるものでした。どれひとつとしてコンプリートできていないのがツライところですが(笑)

ドビュッシー「月の光」、ラフマニノフ「鐘」はもちろんピアノで。
ラフマニノフ「ヴォカリーズ」は声楽、ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」の「第18変奏」はピアノ編曲版で。

それだけポピュラーな名曲を選んであったわけですが、とりわけ「鐘」は目下練習中なので、ここで鑑賞できたのはまさにグッド・タイミング。ガン見、ガン聴きしました(笑)。特に注目したのはペダリングで、譜面にはペダル記号が一切書かれていないのですが、譜面通りに音を持続させようとすると踏まざるを得ない箇所があり、しかし踏むと音が濁るのが気になっていたのです。その箇所を注意して見て聴いていたのですが、やはりペダルを踏まれていたので、若干の音の濁りは許容範囲かな、と納得できたのは収穫でした。それから・・当然ながら中間部は超速弾き。それによって現れるメロディラインがあるのですが、私はまだそこまで至っておりません(汗)

宮田大さんはTVへの出演も多く、実力と人気を兼ね備えたチェリストですが、その演奏は「自然体」。ゆったりと構え、どこにも余分な力が入っていないように見受けられる優美な演奏姿と美音にうっとりとしてしまいました。

竹澤さんのヴァイオリンは、単音しか弾いていないのに和音が聴こえる、つまり倍音がよく聴こえる音色が印象的。弦楽器のことは全くわからないので、ちょっと調べたのですが、フラジオレットとかハーモニクスとか倍音を響かせる奏法があるのですね。そのような奏法で弾かれていたのか、あるいはそれが個性なのか?そのあたりが全くわからないのが残念です。

話は逸れますが、これまでの私の演奏経験としては、ピアノ、トランペット、B♭クラリネット→バス・クラリネット、そして声楽。もちろんどれも趣味とか部活の範囲ですが、これらの経験が音楽を聴く上では間違いなく役立っています。

その技術がいかに凄いものであるかがわかる、というのはもちろんですが、失敗の原因が推察できたり、不調を察知したり、とネガティブな役立ち方もしていますーーしかし、弦楽器は触ったことすら殆どないので、聴いて感じることしかできていません。

じゃあヴァイオリン習ってみるか!とは今のところ全く思わないので(笑)、もっといろいろ聴いてみたい、と思い始めているところです。と、ヴァイオリンまで追っかけ始めるとキリがないですねぇ・・。

そんな、かなり自分事に思いを巡らせた演奏会でもありました。

◇アンコール チャイコフスキー「四季」より「秋の歌」(10月)

◇座席 1階L列下手 前列が2席空いていたので視界良好。田村さんの手元、足元までバッチリ見えて満足でした。

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