2020年9月12日(土)びわ湖ホール声楽アンサンブル第71回定期公演 オペラ作曲家の横顔~ロッシーニ~

びわ湖ホール 大ホール 14時開演

7月の特別講演に続き、声楽アンサンブルの演奏会。
びわ湖ホール通いも以前以上のペースで戻ってきました(笑)

今回は定期演奏会。本来3月末の予定が延期されたもの。
ロッシーニが37歳でオペラの筆を折ってからの作品を主に取り上げたプログラムでした。
独唱・重唱、そして休憩後は「スターバト・マーテル」。

しかし、ロッシーニほど、その演奏中に肖像画の顔が思い浮かぶ作曲家はいないのではないでしょうか。以前合唱団で「小荘厳ミサ」を歌ったことがあるのですが、そのときもいかにも「イタリア人」の笑顔が何度も浮かびました。他の作曲家、例えば第九を歌っているときベートーヴェンが、あるいはヴェルディのオペラを鑑賞しているときその顔が浮かぶか?といえばそんなことはなく、ロッシーニ特有の現象?でしょうか。

はい、この肖像です。(これ、写真なのでしょうか?今気が付きましたけど)

「スターバト・マーテル」も、マリア様の悲しみを歌った宗教曲であるにも拘わらず、この画が浮かんでくるような旋律がいくつもあり、ついニコニコとしてしまいました。

現在合唱団でドヴォルザークの「スターバト・マーテル」を練習していますが、歌いながら涙ぐみそうになるほどの切ないメロディにあふれたこの作品とはずいぶん趣が異なっていて、四重唱などは「セビリアの理髪師」を彷彿とさせたり、「ともに嘆かせてください」の歌詞なのに何故か長調であったり、と、ロッシーニは「悲しみ」を避けていたかのようです。

この曲でのソリスト、テノール谷口耕平さんは、芯があり、明るく伸びのある魅力的なテノール・ヴォイス。近く合唱のソリストとしても出て来られるようになるかしら、と思いながら聴いていました。アリアの高音に上がるところでちょっとコケてしまったのは残念だったけれど、まだまだ伸びしろあり、とは同行のお友達とも意見一致でした。ソプラノの船越さんは「こうもり」のロザリンデも素晴らしかったけれど、舞台姿も堂々とされていて、やはり在籍が長い方は安定感があると感じました。

同行したのは、ジルヴェスター合唱でのお友達でしたが、座席についてみると反対側の隣もやはりジルヴェスター合唱のソプラノの方で(しかも2年続けてオーダーで隣)、その他にもおなじみの方が多く来られていました。指揮の大川先生のお話も練習の時と同じトーンで、それに合わせて起こる観客の笑いの間も練習の時のもの。アットホーム感のあるコンサートでもありました。前日の「今年はジルヴェスター合唱の募集をしない」とのホールからのお知らせは、この日に向けたものだったのかしら?とふと帰り道に思いました。

◇アンコール
四重唱「笑おう、歌おう 」” Ridiamo cantiamo” を全員で。

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