2022年3月30日(水)山下洋輔×鈴木優人 Special DUO Concert

19時開演 いずみホール

昨年末から鈴木優人さんが続く「ノリ」で、「面白そう!」とついポチっとチケットを買ってしまったのでした。

生での優人さんはこれで5回目。BCJでのチェンバロが最初でしたが、あとの3回は指揮者。そして今回はピアニストでしかもジャズまで演奏してしまうという才人ぶり。

音楽の才能だけでなく学業も優秀で、中学・高校は麻布。
山下洋輔さんとは、その麻布の先輩後輩の間柄で、OBでの会合がきっかけで共演するようになったそうです。

優人さんの弾くバッハの平均律第1巻1番(グノー「アヴェ・マリア」の伴奏)に、山下さんがアドリブを入れる、という演奏から始まり、それぞれのソロで「枯葉」、モーツァルトのロンド。
それ以降は2台のピアノによる演奏で、山下さんのオリジナル「竹雀」と「Echo of Gray」。
ピアノ鍵盤の両端部分のみを使った「竹雀」が印象的で、キラキラチャラチャラとした音色の高音と迫力の重低音はモーツァルトの作品には出て来ない音域でその対比が面白い!と思いました。

前半最後は、ジャズの名曲、ビル・エヴァンス「Walz for Debby」。
「洋輔さんに弟子入りしました」との優人さんは、ジャズを弾いてもやっぱりサマになります。しかしその音の美しさは、クラシック由来のものだと感じました。

後半はガーシュイン作品。
「ジャズというよりブルース」の前奏曲、そして「ラプソディ・イン・ブルー」。
この曲は、読響指揮者の優人さんが山下さんをソリストに招き演奏したことがあるそうですが、今回は指揮棒に代えて10本の指でオーケストラ。山下さんのソロはさすがの迫力でした。

しかし、全体を通して私が持った印象は、「がっぷり四つのピアノ対決」というよりもハイレベルな「余興の拡大版」。学校の記念行事演奏会をホールに持ってきました、という感じがしてしまったのでした。山下さんはリラックス、優人さんは「余技」の感。クラシック演奏会の「真剣勝負」感はなく、肩の力を抜いて楽しめる演奏会でもありました。

今ではすっかりクラオタの私ですが、この演奏を聴きながら、20代の頃はジャズに限らず、ライブハウスによく通っていたことを思い出していました。ブルーノート、クラブクワトロ、Zeppなどなど。クラシック専用ホールでジャズを聴くのはもちろん初めてでしたが、ジャズはやたら残響が美しいホールよりも、ライブハウスの少々ざわついた雰囲気の中で聴く方がしっくりくるなぁとも感じたのでした。

ところで、入場時に渡された「プログラム」。
開いたら、真ん中のページがこれでした。

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一瞬落丁では?と驚きましたが、冒頭MCで「プログラムはシークレットです」とのこと。

クラシックコンサートでは、予めプログラムは提示されているものですが、他のジャンルのコンサートやライブではそれはないですよね。ということも思い出したのでした(笑)

◇アンコール
「クシコス郵便馬車」(懐かしい~!小学校の運動会!)
山下洋輔「Chiasma」

◇座席
P列中央ブロック。ピアノは中央で対面なので、このあたりかな、と。私の前だけ「欠席」で視界良好。ちなみにピアノは前半は山下さん上手側、後半は優人さん上手側、で入れ替わって弾かれていました。

◇その他
インターネットで買ったチケットは、当日窓口で受け取り。予約番号と名前を伝えるとすぐに発券してもらえてスムーズでした。紛失、忘れの心配もなく、良いシステムです。

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