2022年11月19日(土)第41回アルカディア定期演奏会

14時開演 神戸新聞 松方ホール

ソリスト様からのお誘いで足を運ぶという、初パターンでのコンサート鑑賞。
久し振りに松方ホールに行ってきました。

お誘いを受けるがまま、市民合唱団のコンサートかと思って出掛けたのですが、そうではなく、フルート奏者でもある中村八千代氏が設立した「アルカディア音楽財団」の室内管弦楽団と合唱団の定期演奏会でした。世の中には様々な音楽団体が存在するのですね。

プログラムは、前半が管弦楽とピアノ協奏曲、後半が合唱曲というもの。
1曲目はモーツァルトのオペラ「ルチオ・シルラ」序曲、2曲目がバッハのピアノ協奏曲第一番。
モーツァルトのこのオペラは、タイトルを聞くことも初めてでしたし、バッハのピアノ協奏曲というのも珍しく、初めて聴くものでした。

開演前に中村八千代氏のプレトークで曲目解説もあったのですが、バッハの時代にはもちろんピアノはなかったので、本来はチェンバロ協奏曲だが、ピアノで演奏する場合は「ピアノ協奏曲」と呼ぶことになっているとのこと。なるほど、勉強になりました。

なお、まだソナタ形式もない時代で、「バッハ形式」とでもいう形式で書かれているとのこと。3楽章仕立てで、それぞれアレグロ、アダージョ(アリア)、アレグロの構成。

これがなかなかによい演奏で、ピアノでも全く違和感がなく、歯切れの良い、整った室内楽といった感で楽しめました。自分でチケットを買う類のコンサートではないので、よい機会を与えてもらえました。

ピアニストの楽譜はiPad。演奏の合間にサッ!ちょん!とタップして譜めくりする動作もカッコいい。だんだんとこの形が増えてきて、もうそろそろ「譜めくりスト」のバイトもなくなっていくのでしょうか(笑)。時代は進んでいきますね。

後半が合唱作品で、シューベルトのミサ曲第2番。
私は初めて聴く作品で——といっても、今年の関フィル定期で6番を歌ったほかにはシューベルトの合唱作品は歌ったことも聴いたこともなかったのですが——小ぶりで美しいミサ曲でした。かつては作曲者不詳であったようですが、なんと1980年代になってオーケストラのパート譜が発見された、というのも驚きです。

さてところで、今回このコンサートに誘ってくださったのは、テノールの竹田昌弘さん。もちろん私のお目当ては竹田さんだったのですが、テノール・ソロは「Benedictus」に少し出てくるのみで、事前にそれは聞いていたものの少々残念ではありました。でも、久し振りにお聴きする甘い響きのテノール・ヴォイスは相変わらずで美しかったです。

西尾岳史さんは、先週の神戸市混声合唱団に続き2週連続。張りと豊かな声量のあるバリトン。西尾さんはパパゲーノで聴いたことがあったくらいで、ちゃんと(何しろパパゲーノはせわしないので笑)お聴きしたのはこれが初めてでした。

問題はソプラノで——主催者とはいえ、ちょっと酷い歌唱で——こういうのはご自分で気づくしかないのでしょうか?引き際は難しいですね・・。私の斜め前のオバサマが、意識的にか無意識なのか、ソプラノが歌い始めるたびに荷物をガサゴソさせて飴チャン取り出していたのが可笑しかったです。

合唱は「音大卒か在籍中」のプロ、セミプロでの構成で、各パート5~6名。男声が特に艶やかで美しい響きでしたが、もう2名ずつくらい女声が多い方がバランスがよいかな、と感じました。

◇アンコール
メサイアから「ハレルヤ」と終曲のアーメンコーラス。一緒に歌いたい気持ちをぐぐっと抑えて聴きました。

◇座席
全席自由。下手側後ろの方でゆったり聴かせていただきました。

タイトルとURLをコピーしました