14時開演 びわ湖ホール小ホール
2日続けてのびわ湖。
泊まりでなく通いです（笑）
私の最も好きな声のひとつ、バリトンの青山貴さんのリサイタルでした。
なんといっても「ジークフリート」のヴォータン役が素晴らしかった青山さん。ご自身初めてのリサイタルをびわ湖ホールで開催してくださってファンとしても嬉しい限りです。
びわ湖リングでもっとも印象に残ったのが「ジークフリート」だったのですがーー印象に残ったというか、ハマったという方が正確ーーその大きな要因のひとつが青山さんのヴォータンだったのです。その歌唱が素晴らし過ぎて、まったく泣くようなシーンでないのに涙が出てくるほど感動。2幕が終わったあと、3幕でもヴォータンの出番があることが嬉しく「また青山さんが聴ける！」と一人喜んでいたのを思い出します。
以来、そのふくよかでやわらかく、輝かしいバリトン・ヴォイスが大好きになったのです。
今回は、そのヴォータンを含むすべてドイツ語でのプログラム。
シューマン「詩人の恋」、バッハ「クリスマス・オラトリオ」、ワーグナー「パルジファル」、「ワルキューレ」。リート、オラトリオ、歌劇、と声楽ジャンルすべてを堪能できる構成でした。
「パルジファル」は来年のびわ湖でのアムフォルタス役での歌唱を先行披露してくださり、最後は「ワルキューレ」の幕切れ、ヴォータン「さらばだ、勇敢で輝ける娘よ」。これは泣けます。リングのライトモティーフが次々に現れるのでーー「ローゲ」、「運命」、「眠り」ーーワーグナーの世界に再びどっぷりはまってしまいました。感動・・
小ホールでの演奏会でしたが、うーん、青山さんはやっぱり大ホールで聴きたかったな、と思ってしまったのでした。あのふわっと広がる豊かな響きはもう少し残響の長い大空間で味わいたかった、とないものねだりの願望を抱いてしまったのでした。
ということで、来年の3月「パルジファル」、またしっかりと予習をして堪能したいと思います。楽しみです。
◇アンコール
「タンホイザー」から「夕星の歌」
◇座席
F列上手側の通路際
