2021年11月11日(木)ピョートル・アンデルシェフスキ ピアノ・リサイタル

19時開演 いずみホール

先月10月はショパン漬けでしたが、そこから一旦抜けて、バッハに浸ってきました。

バッハの平均律クラヴィーア曲集第2巻から12曲を演奏。本来の曲順ではなく並べ変えたもので、長調と短調が交互に出てくるのは原曲と同じ。

以前の「ひとりごと」にも書きましたが、ピアノ少女「あるある」でバッハには苦手意識があったのですが、いちどそのポリフォニックな音楽の世界を体感してみたいと思い、出掛けたリサイタルでした。

最近登録した「Spotify」で、アンデルシェフスキさん自身の平均律第2巻のアルバムを聴いて予習したのですが、その音色を初めて聴いた時に頭に浮かんだのは、(何故か)半透明の飴。ピアノの音色は真珠の粒に例えられることが多いですが、それよりも大きな粒で柔らかな透明感をまとった音。そのため、バッハの音楽が硬質でなく心地よく響いてくるのです。

そして、実際ホールで聴いた音色の印象も同じものでした。(Spotifyの音質はとてもよいです)

しかし、バッハの音楽のポリフォニーの複雑なこと。生で聴く音の立体感もあり、その情報量の多さに圧倒されました。

アンデルシェフスキさんは、たった2本の腕、10本の指で、4声のキャラクターまでもを弾き分けているので、フーガの部分ではその展開を追いかける聴き方をしてしまいました。合唱をやっているせいで「あ、これはアルトから始まって次ソプラノな」という感じで、どのパートがどう受け継いで展開していくのかが気になり、聴き逃すまいと全力で集中して聴いていました。

なので、後半になると頭がかなり疲れてしまいーーこの左の後頭部がぎゅーっと押される感じ、何かに似ているなと思ったのですがーーこれは必死で英語を聴き取っている時の疲れ方と同じだと気が付いたのでした。

そんなに全集中で聴かなくても良かったんじゃないか?

しかし、ではどうやったら俯瞰してリラックスして聴けるのでしょうか?
だれか教えてくださーい!(笑)
当初は、全24曲のうちの半分だけでは少ない、物足りない、と少々不満でもあったのですが、終わってみると半分の12曲で良かったな、と思った次第です。

でも、それだけ音楽に向き合って浸れる時間が持てたことは良い体験だったと感じています。

◇アンコール
J.S.バッハ パルティータ第1番BWV825 変ロ長調Ⅳサラバンド

◇座席
1階H列下手側。通路すぐ後ろの席ですが、段が低いので期待したほど視界は開けず。でも支障なく観れました。

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