2024年2月9日(金)辻彩奈ヴァイオリンリサイタル ピアノ萩原麻未

14時開演 ザ・フェニックスホール

フェニックスホールのティータイムコンサート。
辻彩奈さんのリサイタルに行ってきました。

1曲目の演奏後に辻さんのMCが入り、今回はフランスで研鑽を積んだ萩原麻未さんとの演奏なので、フレンチプログラムとした、とのことでした。ドレスは辻さんが赤、萩原さんが青でトリコロールに寄せたものかと推測。女性奏者ならではの楽しみです。

艶やかで強靭な音色と推進性——私が辻さんに感じる魅力なのですが、フランスものであってもその音楽性に変わりはなく、耽美に浸ることなく前へ前へと進んでいく音楽は清々しさすら感じるものでした。そして、やはり音量が豊か。大編成オーケストラを背負っても全く負けない辻さんのヴァイオリン、その音色を間近で堪能できる喜びを感じる一方、室内楽的な響きでやや籠りがちになるこのホールでの演奏は少々もったいない気もしました(1階で聴いた印象です)。

初めて聴く萩原麻未さん——萩原さんのピアノも目当てでした——冒頭のラヴェルから、薄いヴェールを纏ったような音色で、フランス音楽の世界に誘ってくれるものでした。萩原さんのつくる柔らかな土台の上で辻さんの艶やかなヴァイオリンが歌う極上のアンサンブル。

終曲フランクのソナタはこのリサイタルの掉尾を飾るのに相応しい情熱的な演奏で、終演後には多くのBRAVO!が飛びました。

◇アンコール
パラディス:シチリアーノ
アンコール時に舞台後部の反響板が上げられ、ガラス越しの眺望を見せる演出——この方が音響が良い。事情はあるのかもしれないけれど、最初から上げていた方がよかったのでは?

◇座席
ぎりぎりで購入したため、1階4列目下手側の端。
前列客の頭の隙間でなんとか視界が得られました‥。

タイトルとURLをコピーしました