2022年2月25日(金)鈴木優人指揮/関西フィルハーモニー管弦楽団第325回定期演奏会

19時開演 ザ・シンフォニーホール

今月の優人さんは関フィルの指揮で(笑)
芸文センタージルヴェスターはPAC、先月びわ湖ではセンチュリー、そして今回は関フィル。あらゆるオーケストラから引っ張りだこの大活躍ですね。

今回はブラームス・プログラム。
前半は「悲劇的序曲」と「ハイドンの主題による変奏曲」、後半は交響曲第2番。
先月の大フィル・ソワレで1番を聴いたところだったので、自家製ブラームス・チクルスです(笑)

この2番は「田園交響曲」と呼ばれることもあるようですが、「田園」から連想する平坦な土地の印象とこの曲のイメージは私の中では一致せず、作品全体の曲想からはやはりブラームスが作曲を行った避暑地ペルチャッハから望んだであろうアルプスの雄大な山容や麓の村の牧歌的な生活が思い浮かびます。なので「アルプス交響曲」の方がしっくりきますね。R.シュトラウスと被りますが、こちらの方が先(笑)。

この日の演奏は弦の響き、特に第一ヴァイオリンの艶やかさが素晴らしかった。この鋭利さをも感じる透明感は昨年のワーグナー特別演奏会の時にも感じたもので、関フィル特有のものかと思いました。また、チェロを手前にした配置により、ブラームスの魅力のひとつでもある弦の低音部の響きが客席に分厚く届き、これにはゾクゾクとする感動を覚えました。

管楽器の瑕疵がもう少し少な目だったら完璧、という思いとも併せて、先月の1番と同様、ブラームスの音楽に浸れる素晴らしい演奏会でありました。

◇アンコール
定期演奏会では珍しくアンコールがありました。
ロシアのウクライナ侵攻について直接的な言及ではないものの「平和が脅かされつつある今こそブラームスの音楽で平和を・・」との優人さんのスピーチで、この作品の初演時のアンコールに因み3楽章が再度演奏されました。
こうして平和のなかで音楽を聴くことができるのは本当に幸せなことだと、リアルに考えさせられました。

タイトルとURLをコピーしました