2022年6月1日(水)上岡敏之指揮/読売日本交響楽団第32回大阪定期演奏会

19時開演 フェスティバルホール

2日続けてのフェスティバルホール。
手帳のページが違うので、2日連続にしばらく気づいてなかったという・・(笑)
読響の大阪定期公演全3回の1回目。今回は定期会員になりました。

上岡マエストロ、3日前の東京公演で指揮台に上がる際に躓き、会場が一時騒然となったとのことで心配していましたが、この日は颯爽と登場されました。動作も大きく優雅な指揮ぶり。良かったです。

やっぱり読響は上手い!
弦は艶やか、管楽器奏者もそれぞれ素晴らしく、全体に濃密な響きで音量が大きい。
こんなオケが日常的に聴ける東京近郊の人たちは羨ましいです。

プログラムは、メンデルスゾーンのヴァイオンリン協奏曲にチャイコフスキーの「悲愴」という、いわゆる「名曲プログラム」でしたが、やはり名曲は名曲、素晴らしい演奏会でした。

1曲目は初めて聴くメンデルスゾーンの「序曲〈ルイ・ブラス〉」。短い作品ですが、フーガになっていて、「”Kyrie eleison” (主よ憐みたまえ)の歌詞で全部歌えるな」などと思いながら聴きました(私の登壇もだんだん近くなってきました)。

そしてメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲、通称「メンコン」。ソリストはドイツ人女性のレナ・ダウアー氏。
しかしまぁ、こんなに変わったメンコンは初めてでした。
まず、ヴァイオリンの音が小さい。とても美しい音なのですが、か細いのです。そしてテンポが遅いーーとなれば、ふつう眠くなってしまうものですが、何故かそうはならず、まるでヒソヒソ話に聞き耳を立てるように集中して聴いてしまいました。高い音程は完璧。
以前五嶋龍さんで聴いた時の「どうだ!」といわんばかりの力感あふれる演奏とは対極的。もちろん好みは龍さんですが(笑)、これもありかな、と思わせる不思議な演奏でした。

後半はチャイコフスキー「悲愴」。
名曲中の名曲だと今回も改めて感じました。どの楽章にも歌える旋律がある。胸がしめつけられるような美しさ。そして、オケの音が美しい。ソロが素晴らしい。

昨年秋の阪田知樹さん、黒川侑さん、佐藤晴真さんのトリオに特別出演されていたクラリネットの金子平さんは読響首席奏者。なので、あの有名な主題のソロは金子さんでしたが——これが本当に素晴らしかった。特に弱音のなんともいえない悲哀のニュアンス。オケのクラリネットにこれほど感動したのは初めてのことでした。

そして、クラリネットに続いたのは、バスクラではなく、スコア通りのファゴット!このファゴットも素晴らしくて、双眼鏡で凝視していたら・・またも突然のffffffに飛び上がりそうになりました。学習能力なし(笑)。

ウィーン・フィルでゲルギエフは3楽章からアタッカで4楽章に入ったけれど(ハッとする感動がありました)、これはどうかな?と思っていたら、かなりたっぷりと間が取られました。これはこれで気持ちの切り替えができてよいものです。勇壮なマーチから悲劇的主題への回帰。それにしても美しい演奏、素晴らしい音楽でした。

◇ソリストアンコール
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番第1楽章(グレゴリオ聖歌「怒りの日」の引用)

◇座席
2階下手側最後列(補助席)。かなり深い軒下でしたが、音響、視界とも遜色なしでした。

◇その他
それにしても客席マナーが悪い!満席に近い客入りだったので、パーセンテージによるものか、名曲プログラムによる客層の故か?
悲愴の各楽章終わりに、いちいちケチが付いた件。
1楽章:終止とともに実にタイミングよくガタっとプログラムを落とす音
2楽章:合唱曲流れる(誰かの音楽デバイス)
3楽章:今度は「威風堂々」のサビ(同上)。威勢のいいマーチの後で組み合わせとしては悪くないが。マエストロが長く間を置いたのはこれが聞こえていたから?
4楽章:フライングではないがかなり早い拍手。憤慨。

そのほか、飴チャンがさごそを繰り返すオバチャン、途中入場し堂々と別の席(ウチの隣)にどっかり座って飴チャン取り出すオッチャン。同行の我が夫は、前者は本人に、後者はホールスタッフに注意しに行ってました。ご苦労さま(笑)

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