2021年10月1日(金)秋山和慶指揮/大阪フィル ソワレ・シンフォニー 福間洸太朗「グリーグ ピアノ協奏曲」

19時開演 ザ・シンフォニーホール

前回「100回記念」から少し間があいてしまったのは、コンサートに行かなかったからではなく、行きすぎて書く時間がなかったからなのですが(笑)、10月は1日から3日連続コンサートで、その初回は大フィルの名曲コンサートシリーズ「ソワレ・シンフォニー」でした。

今回はまさに名曲プログラム。
フィンランディアとグリーグのピアノ協奏曲、そしてベートーヴェン「運命」。昭和の香りさえ漂う王道のプログラムでした。

このコンサートでのお目当てはグリーグのピアノ協奏曲。
私が子どもの頃の記憶では、ピアノ協奏曲といえばもっぱらチャイコフスキーかグリーグだったと思います。しかし最近では、より超絶技巧が華やかなラフマニノフやプロコフィエフの方が多く演奏されているような印象で、このプログラムを見たとき「あら、懐かしい」と思ってしまったのでした。けれど考えてみると生で聴いた記憶がないので、今回行ってみることにしたのです。

近年日本の若手ピアニストは人材が非常に豊富で、しかもそれぞれ個性的。聴いてみたい方が多すぎて困ってしまうほど(この3日間連続のコンサートも若手男子ピアニスト3人でした)。なので、チャンスがあれば片端から聴きたいと思っていたところ、そのうちのお一人、福間洸太朗さんがこの日のソリストであったことも行った理由のひとつ・・いやむしろ福間さんの方が理由付けとしては上位でありました。ごたごた書き連ねましたが、「福間さんでグリーグが聴けるので行きました」。短く言えばそういうことです(笑)

グリーグのピアノ協奏曲といえば、冒頭のフレーズが超有名で殆どその印象しかありません(笑)。冒頭だけがやたらキャッチーなのはシューマンの協奏曲と同じだなと思っていたら、やはり留学時に聴いたシューマンに影響を受けたものだとのこと。シューマンに比べ、そのフレーズがやや長めなのは、あっという間に終わってしまうシューマンのそれを踏まえてのことか、とも思ったのでした。

今回予習も含め全体を通して聴き、この曲から受ける印象は北欧の大自然なのだと感じましたが、しかし、3楽章のあたりでは、ピアノの強打がオケの大音量にかき消され気味の部分がありーー福間さんは被らないようにややずらして弾いておられたように感じたのですがーーそのためにピアノの技巧の見せ場が少なくなるのは、ドヴォルザークのピアノ協奏曲と同じで、演奏機会が少なくなっているのはそのためかも?とも思ったのでした。

しかし、このコンサート、秋山先生の上品な佇まいと美しい指揮、そしてイケメンのピアニスト福間さん。見た目にも、初めてクラシックを聴きに来た人が納得して帰れるような、これぞ正統的な「クラシックコンサート」でした。

◇ソリストアンコール
メンデルスゾーン「ロンド・カプリチオーゾ」

◇オーケストラアンコール
ベートーヴェン「プロメテウスの創造物」序曲

◇座席
2階下手側後方。ピアノを聴く場合のベストポジション。
ステージ正面の席が2階後方まですべてA席だったためか、B席のサイドとオルガン前に客が多い印象でした。

 

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