2022年 マイ・ベスト演奏会

2022年はたくさんの演奏会に足を運びました。
登壇したものも含め、その数 81公演。平均すると4~5日に1回行ったことになります。
これだけ行くとちょっと総括してみたくもなるもので、特に印象深かった演奏会、演奏家を振り返りたいと思います。

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さて、まずなんといっても、この1年はピアノを多く聴きました。ピアノ・リサイタルに多く行きましたし、コンチェルトや室内楽でもかなり聴きました。その中で特に印象深かったのが下記のピアニストです(聴いた順)。

★藤田真央 もう何度も書きましたが、その音楽に一旦魅了されると耳から離れません。コンチェルト、室内楽も含め、1年で5回聴きました(笑)。巨匠の代演の大成功などワールドワイドでの活躍、彼は本当に天才だと世界が知った1年であったとも思います。

★川口成彦 フォルテピアノを知ると、ピアノ作品の聴き方が深くなります。鑑賞耳を育てていただいて感謝の想い。

★務川慧悟 ラフマニノフ3番。今でもあの感動は忘れられず、思い出すと涙が出そうです。この演奏会自体もこの1年のベスト。務川さんの奏でるピアノの音色にはある種生理的な快感を覚えます。

★アレクサンドル・カントロフ 超人的演奏技術。超絶技巧を超えた表現力にも圧倒されました。世界は広い!

★ダン・タイ・ソン 弟子が国際コンクールに続々と入賞する名教師でもありますが、独特の潤いのある美音に落涙。

★北村朋幹 大フィル オケ中のペトルーシュカも瞠目でしたが、なんといっても、ジョン・ケージのプリペアド・ピアノ。異空間体験。

★阪田知樹 プログラミング・センス、表現の幅の広さと超絶技巧を含む高い演奏技術。リサイタル後の充足感はこれまでにないものでした。

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オーケストラでは、やはり海外メジャー・オケの3団体4公演が印象的でした。

★サー・サイモン・ラトル/LSO 京都・堺の2公演とも充実の演奏。あたたかい弦楽器の音色、金管のアンサンブルが素晴らしい。マエストロのお人柄も覗え幸福感の強い公演。

★クラウス・マケラ/パリ管 春の祭典の変拍子のキレのよさに圧倒され、Ecシベリウスに心奪われ、感動で頭がいっぱいになるという初めての体験。務川さんのラフ3と並ぶ最も感動的な公演でした。

★クリスティアン・ティーレマン/SKB 透明感と重厚なサウンド、快適なテンポ、これが私の聴きたかったブラームス。本場の演奏を痛感。

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オペラは「竹取物語」、「パルジファル」、「夕鶴」、「ラ・ボエーム」、「ファルスタッフ」、「泥棒かささぎ」、「セビリアの理髪師」と7公演。うちセミ・ステージ形式が3公演でまだコロナ禍から脱しきれていませんが、それでもどれも素晴らしい公演でした。

母数が少ないので無理がありますが、特に記憶に残るのは、沼尻マエストロの自作でそのユーモアの詰まった「竹取物語」と、フル・オペラで舞台美術も歌唱も素晴らしかった芸文センターの「ラ・ボエーム」でしょうか。
しかしオペラを1年で7公演も聴いたのは初めてです。

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以上ざっくりと振り返ってみました。

他にも、室内楽もこれまでになく聴きましたし(多くは奏者目当てですが)、ヴァイオリンの音色もかなりわかるようになり、自分の好みも——例えばテノール・ヴォイスなどと同様に——わかるようになってきました。

やはり多くを聴いて比較する、或いは超一流を知る、といったことにより聴く耳は養われるのだということも実感しています。

しかし、ちょっと回数行き過ぎました。
チケット代の総額は考えないことにしても(汗)、読書、美術鑑賞などのインプットができず、合唱の譜読みもあまりしなかったし(コラ!)、ピアノの練習もはかどりませんでした。

なので今年は「面白そう」レベルは控え、「どうしても行きたい」ものだけをチョイスしたいと思っています。が、定期会員を含めると20公演程度のチケットが既に手元にあったり・・。

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