2023年11月24日(金)秋山和慶指揮/日本センチュリー交響楽団第277回定期演奏会 チェロ アントニオ・メネセス ヴィオラ須田祥子

19時開演 ザ・シンフォニーホール

この日はダブル・ヘッダー。夜は定期会員のこちらのコンサート。

今回の指揮は秋山マエストロ。
やはり流石で、オーケストラは整った美しい響き。
先月の定期後には、このオケはどうなってしまうんだろう?とちょっと心配になってしまったのですが、指揮によって全く変わるものなのだと改めて認識するとともに安堵もしました。

前半のベートーヴェン4番。
3番と5番の間に埋もれ、かつ時代が逆戻りしたような作風だと感じていたのですが、今回の演奏を聴いていると、5番に繋がるような箇所も聴き取れ、規模は小さいながらやはりベートーヴェンらしい作品だと感じました。規模の小ささは、この作品を委嘱した伯爵家のオーケストラ編成によるものとのこと。今回知りました。

後半は、リヒャルト・シュトラウスの「ドン・キホーテ」。
この作品は4年前のベルリン・フィル来日公演で聴きました(指揮ズービン・メータ)。その際にかなり予習をして臨んだのですが、途中で物語を追うことから挫折。そして今回は予習なしで鑑賞したので、第2変奏の羊メェメェ大混乱のあたりまでしか追えず。しかし、弦16型大編成のオーケストラから放たれる豊かで美しい響きは十分に堪能できました。

チェロの独奏は、アントニオ・メネセス氏。
右手に松葉杖、左手にチェロの登場。詳しいことは分かりませんでしたが、右脚を負傷されていたようです。両手が塞がっての出入りには少々ハラハラしましたが、演奏には支障なし。

お昼に佐藤晴真さんを聴いたので、本日2人目のチェリスト。高音域が艶やかでとても美しい。ドン・キホーテの主題は意外にも高い音域なのだと再認識しました。晴真さんとはまた違った魅力的なチェロ。従者サンチョ・パンサはヴィオラ首席の須田祥子さん。芝居気のある須田さんのヴィオラも素晴らしく、コンマスの荒井さんを加えた三者のソロは聴き応えがありました。

そして、この日は前半のベートーヴェンも通じて、クラリネットの響きが美しく印象的でした。

ウィーン・フィルを聴いた耳で鑑賞しても遜色ないレベル。満足度の高い演奏会でした。

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