2020年12月19日(土)砂川涼子ソプラノ・リサイタル クリスマス アヴェ・マリア

19時開演 ザ・シンフォニーホール

1日置いてまたまたシンフォニーホール。
オペラでおなじみの砂川涼子さんのリサイタルに行ってきました。

びわ湖ホールのオペラにも数多く出演されているので、恐らく年に1回は必ず聴いている砂川涼子さん。「リサイタル」は珍しいので行ってみることにしました。
考えてみると、びわ湖ホールのオペラ公演以外でも、新国立劇場「ジャンニ・スキッキ」ラウレッタ(「私のお父さん」)、更にNHKニューイヤーオペラコンサートでも生で2回、また本来なら今年は芸文センター佐渡さんの「ラ・ボエーム」ミミでも鑑賞するはずでした。そうやって考えていると、たぶんこれまでで最も聴いているソプラノは、おそらく砂川さんです。

2年前のびわ湖ホール「千人の交響曲」では、同じ舞台で歌うことができたのですが、そのときソリストの中で最も後ろまで響いていたのが砂川さんの声。小柄で可憐な印象を覆すほどの声量の豊かさにも驚かされたものです。

さて、今回のリサイタルですが、砂川さんご自身もリサイタルを行うことはあまりない、と仰っていて、今回新たに今まで歌ったことのない「アヴェ・マリア」などを新たにレパートリーに加えたとのことでした。
モーツァルトやフォーレ、トスティなど、初めて聴く「アヴェ・マリア」も含まれていて、私としては「次の発表会でどれを歌おうかな~」などと考えたりしていました(笑)

前半は、真っ白なドレス、後半は真っ赤なドレス、で見た目も美しく、歌唱はもちろん、ホールを豊かに満たす美声を堪能しました。
しかし、どうもこの日はコンディションが万全ではなかったようで、ピンと上がる高音部で今一つ本来の透明感が出ていなかったり、割れ気味になっているように聴こえました。それでも、歌唱技術の高さと百戦錬磨の対応力で、作品として一流に仕上げられている、という印象でした。
後半には「私の名はミミ」を歌われましたが、もうこれはさすが! ミミといえば砂川さん! そのドラマティックな表現力に、砂川さんはやはりオペラの方だな、と実感しました。

ピアニストはIL DEVUでもおなじみの河原忠之さん。
砂川さんの休憩のためもあり、河原さんもいつもの美声でMCをされていました。声楽家がこぞってピアニストに河原さんを指名する、というのは、ピアノ演奏技術、歌いやすさはもちろんのこと、話をされるのもお上手で時間を稼ぐことができる、というのもあるのかな、と思いました。

20分の休憩を挟み、21時ちょうどくらいに終演。お一人でこれだけたっぷり歌われる、やはりプリマドンナのスタミナはすごいです。

◇アンコール
・チレア「アドリアーナ・ルクブルール」より「私は神のいやしいしもべです」
・グルーバー「きよしこの夜」
◇座席
2階席最前列中央
私がチケットを購入した時には市松配置でしたが、その後通常配置で売られてようで、詰めて座っている方もいました。客席は3~4割程度の入り。少々残念な感じもしましたが、この時期でリサイタルの観客数としてはこんなものかなと思いました。

タイトルとURLをコピーしました