2022年12月12日(月)ユルゲン・ヴォルフ オルガンコンサート

19時開演 宝塚ベガ・ホール

2日連続のベガ・ホール(笑)
関フィル第九の指揮で来日中のユルゲン・ヴォルフ氏のオルガンコンサートを聴かせていただきました。

バッハ作品を中心としたプログラムで、ベガ・ホールのパイプオルガンの多彩な音色を楽しめる素敵なコンサート。

メサイアでもパイプオルガンは使用されていますが、今一つ存在感が薄いというか、私の耳がよくないのか、あまり聞こえてこないのです。なので、改めて聴くことができて、とてもよい機会でもありました。

最初に畑先生からプログラムやオルガンについての解説があり(いつもながらお話しされる声も美声)、これも勉強になりました。

ここのパイプオルガンはスイスの「クーン社」製で、シンフォニーホールのオルガンも同社製とのこと。阪神淡路大震災の時にはパイプが全部外れてしまう、という被害もあったそうです。(と聞くと、どういう風にパイプが取り付けられているのか知りたくなる建築女子)

同じバッハでも、リコーダーかパンフルートのような可愛らしい音色の作品もあれば、「ゴシックホラー」的な不協和音の重低音が使われた作品もあり、オルガンの幅の広さを体感——というか、パイプオルガンって殆どシンセサイザーなんですね、とド素人の感想(笑)。この多様な音色を機械的に造り出した先人の技術力の凄さ、教会と切り離せない楽器であるが故の、キリスト教のもたらした文化の高度さ、といったことにも思いを巡らせながら聴かせていただきました。

また、このホールは教会を模した内装なので、ここでパイプオルガンを聴くのはとてもしっくりくるものがありました。そしてやはり、空気の振動を実感する重低音にはしびれます(笑)

オルガン演奏だけでなく、途中に畑先生の独唱も入り、終曲では大阪バッハ合唱団によるカンタータのコーラスもあってプログラムのバランスもよく、とても充実した演奏会でした。

プログラムのデザインも美しく——余談ですが、ヴォルフ氏のプロフィールの下に書かれた「ライプツィヒのニコライ教会での『平和の祈り』がベルリンの壁崩壊のきっかけになった」という文章を読んで、小説「革命前夜」を思い出しました——これが無料なのは何だか申し訳ない、と思いつつホールを後にしたのでした。

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