2022年12月31日(土)びわ湖ホール ジルヴェスター・コンサート2022

15時開演 びわ湖ホール大ホール

3年振りにジルヴェスター合唱団として「カルミナ・ブラーナ」で登壇させていただきました。

 

2020年、2021年とコロナの影響で一般合唱「ジルヴェスター合唱団」の参加はなく、今年ようやくの募集。今期で芸術監督を退任される沼尻マエストロ、その指揮で歌える最後のチャンスなので、是非参加したいと応募し、抽選にも当たって登壇することができました。

「カルミナ・ブラーナ」は2015年に暗譜で歌ったものの既に殆ど忘却。今回は練習期間が約2か月と短く再び暗譜するのは難しかったので、代わりに楽譜の上の余白に歌詞を大きく書いて、合間に確認して歌う「カンニング唱法」としました(楽譜の文字が見えにくい、という年齢的な問題もあります)。なので、ほぼマエストロ ガン見、自分的には満足の出来でした!——目的が少々ずれているような?(笑)

マエストロの指揮は、分かりやすく、歌いやすく、そして美しい。腕はほぼいつも肩より高い位置にあって、大きくたっぷりとした振りなので、後ろでも見やすく、呼吸もしやすい。この作品は曲間がアタッカでつながっていることが多いのですが、左で指揮をしながら、右手で小さく次の曲の拍子とテンポを出してくださるので、心の準備もできる。そしてそれに続く曲の止めの動作がまたかっこいいのです。

今この指揮で歌えていることに感謝しなければ、と噛みしめつつ歌っていたのですが、本番はあっという間に終わってしまいました。音楽は儚いです(涙)。

それにしても、声楽アンサンブルの合唱はやはり素晴らしくて「別物」。発声法が身に付いたまろやかで輝かしい響きと声量も豊かな歌声はそれを聴くだけでも価値のあるものです。初めて合わせて練習した際には、その声量に圧倒され、一瞬ひるんで歌いそびれてしまいました(素人の限界)。この美しい響きを損なわないように、無理なところは歌わない、で多少楽させてもらったところもあります。

ソロも素晴らしく、バリトンの市川敏雅さんの演技を交えて抑揚の効いた深い低音とテノール音域の高音の美しさ、熊谷綾乃さんの夢のようなコロラトゥーラ、清水徹太郎さんの哀れな白鳥は異次元の透明感。これらは客席で聴きたかったです。そして、この一流のソロが自前でできるびわ湖ホール声楽アンサンブルのレベルの高さを改めて認識しました。

ところで、ジルヴェスター合唱団ですが——「厳正なる抽選」の結果で各パート7名ずつと少人数、ディスタンスあり、マスクあり、しかも「皆そこそこに歌える」オーディションあり合唱団ではないので、練習中は正直かなり歌いづらく感じていました。応募して落選した方も知っているので、当選して歌えること自体に感謝しなくては、と思いつつも、多少の不満を抱えて練習に通っていたのも確かです。

が、しかし、やはり本番の高揚感を経ると、やっぱり良かった!また歌いたい!となってしまうのが常で、これだから歌はやめられません。

ということで、2022年は世界的には不穏で不幸な出来事も多くありましたが、私自身は幸福感を以って無事に終えることができたことにひとまず感謝です。沼尻マエストロの指揮で歌えることは多分もうないと思いますが、今回歌わせていただけたことで満足したいと思います(でも喪失感・・)。

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